インプラントは虫歯にならないのか?口腔内トラブルとケア方法を解説

インプラントの歯を見せて笑う女性

近年、自然な見た目を再現できるインプラントの人気が高まっています。「インプラントは虫歯にならない?」「インプラントにしたことで起きるトラブルはある?」など、疑問を持つ方も多いです。インプラントは高額な費用がかかる治療なので、できる限り長持ちさせたい、あらゆるトラブルを回避したいと誰もが思うことでしょう。

今回は、インプラントは虫歯にならないのか、治療後の代表的なトラブルのインプラント周囲炎とは何なのか、インプラント治療後のケア方法などを解説します。

インプラントとは?

顎に手を当てて考える女性

インプラントとは、虫歯や事故・怪我などで歯根ごと歯を失った場合に歯を補う治療方法です。外科手術を行い、歯根の代わりとなるインプラント体を顎の骨に埋め込むため、ブリッジや入れ歯では得られない天然歯に近い噛み心地が再現されます。これまでと変わらず食事を楽しめることが、インプラントの大きなメリットです。

人工歯には、セラミックなどの天然歯に近い見た目の素材を使用します。光沢感や透明感があるため、周囲の天然歯と比べて目立つことがありません。見た目が非常によいことも特徴です。

インプラントは健康保険適用外の治療なので、1本あたりの費用は300,000〜400,000円と高額ですが、機能性や見た目を重視する方には適した治療方法です。

インプラントは虫歯にならないのか?

青い机に置かれた歯と虫歯と歯科用器具

インプラント治療を行った歯は、虫歯になることはありません。天然歯の場合、細菌が作り出す酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされることで虫歯が進行します。人工物であるインプラントには、エナメル質が存在せず酸で溶けることがないため、虫歯にはならないのです。

しかし、虫歯にならないからと歯磨きを怠るなどケアが不十分な場合は、虫歯以外のトラブルが起きる恐れがあります。インプラント治療後に起きる可能性のある代表的なトラブルが「インプラント周囲炎」です。

インプラント周囲炎にならないように気を付けよう!

黄色い背景に置かれた!マークの吹き出し

インプラント周囲炎とはどのような病気なのか、インプラント周囲炎になる原因やインプラント周囲炎の症状をご紹介します。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の歯茎が炎症を起こす病気です。歯周病と似た症状があらわれます。

通常、天然歯には歯根膜が存在しており、顎の骨に直接衝撃が伝わらないようにする、周囲の骨などの組織に血液を供給するなど、重要な役割を果たしています。

しかし、インプラントには歯根膜がありません。血液からの栄養供給を受けにくく、天然歯に比べて抵抗力が弱いのです。そのため、インプラント周囲炎などになりやすく、一般の歯周病よりも進行が早いといわれています。初期のインプラント周囲炎は痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づいたときには状態が非常に悪いケースが多いです。

口の中が不衛生な状態になると、インプラント周囲炎になる可能性が高まります。最悪の場合、インプラントが抜け落ちることもあるのです。

インプラント周囲炎になる原因

インプラント周囲炎になる主な原因は、以下のとおりです。

食後に歯磨きを行わないなど口内が不衛生な状態が長く続く場合や磨き残しが多い場合、プラーク(歯垢)が溜まります。プラークが溜まると、インプラント周囲炎を引き起こす細菌が増殖し、歯茎などに炎症を引き起こすでしょう。

ほかにも、喫煙習慣がある方は細菌感染を引き起こしやすいです。タバコに含まれるニコチンは白血球の機能を低下させるため、細菌への抵抗力が非喫煙者に比べ弱まります。白血球の働きが低下すると、細菌に感染しやすくなり、症状の進行も速まるでしょう。

インプラント周囲炎の進行度別の症状

インプラント周囲炎は、進行度によってあらわれる症状が異なります。進行度別の症状を確認しましょう。

軽度のインプラント周囲炎では、痛みなどの自覚症状がないことが多いです。中度になると、膿が出る、口臭が悪化する、痛みが出るなどの症状があらわれます。重度になると、インプラントの連結部分であるアバットメントが露出し、インプラントが抜け落ちることもあるでしょう。

軽度の場合は、歯科医院でプラークや歯石を取り除くことで症状が改善されることがあります。中度や重度に症状が進行した場合は、炎症が骨組織にまで及んでいるでしょう。外科手術で歯茎を切開し、炎症を起こしている部分を除去したり骨を再生するための処置を行ったりする場合があります。

インプラント周囲炎以外に起こり得るトラブル

頭からモヤモヤを出して悩む女性

インプラント周囲炎以外に起こり得るトラブルは、以下のとおりです。

それぞれ解説します。

インプラントが脱落する

インプラント治療時、インプラントを埋め込む位置が適切でない場合や顎の骨に空ける穴が大きすぎる場合、歯根の代わりとなる部分が骨とうまく結合できないことがあります。インプラントが固定されず、インプラントそのものが脱落する可能性があるのです。

人工歯が取れる

インプラントは、歯茎に埋め込んで歯根の代わりとなるインプラント体、連結部分のアバットメント、歯茎から出る人工歯の3つのパーツで構成されます。

人工歯はセラミックなどの素材でできているため、強い力がかかると割れることがあります。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は注意してください。

治療時に連結部分のアバットメントのネジがしっかり締められていない場合や強い力がかかった場合は、人工歯が外れる可能性があります。

インプラント治療後の口腔ケア方法

洗面所で歯磨きをする女性

インプラント治療後は、歯茎に傷がある状態です。強い力で歯磨きをするなど、刺激を与えないようにしましょう。出血がある場合は無理に磨かず、インプラント部分は水でうがいして汚れを落とします。

傷が治ってきたら、インプラント部分はやわらかめの歯ブラシで丁寧に磨きます。歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用すると、細かい部分まで汚れを落とせるでしょう。

インプラントを入れた歯は天然歯に比べて免疫力が低く、細菌感染を起こしやすいです。これまで以上に丁寧なセルフケアが求められます。

インプラント治療後のメンテナンスの重要性

プラスマークを虫眼鏡で拡大する

インプラント治療後は、自宅でのセルフケアに加え、歯科医院でのメンテナンスを受けてください。どれだけ丁寧に歯磨きをしても、落としきれない汚れがあります。歯科医院で専用の機械を使ったクリーニングをしてもらうことで、口内を清潔に保つことができます。

定期的にメンテナンスを受けていれば、インプラント周囲炎になっても早期に対応してもらえるでしょう。インプラント周囲炎が進行していない状態で治療を始めることができる、あらゆるトラブルを早期に発見できるなど、メンテナンスを受けるメリットは多いです。

まとめ

インプラントの模型を持って笑う女性

インプラント治療後の歯は抵抗力が弱く、ケアをしっかり行わないとトラブルが起きる恐れがあります。

インプラント治療後の代表的なトラブルであるインプラント周囲炎は、インプラントの脱落にも繋がる病気です。インプラント周囲炎の初期段階では自覚症状がないことが多く、あっという間に進行することもあります。悪化すると、インプラント治療がやり直しになる場合やインプラントが取れる場合があるでしょう。

今回ご紹介した治療後のケア方法を参考に、口内を清潔に保ってトラブルを防ぎましょう。少しでも長く快適にインプラントが使用できるよう、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスを徹底してください。

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