食いしばり、歯ぎしり。
聞いたことはあるけど、別にそんなの自分のことではないでしょ。
このように、赤の他人に起こっている現象のように感じますよね。
そんな中で、急な歯の痛みに襲われて、歯科医院へ駆け込んでみたものの、虫歯ではない。と言われてしまったなんていう症状を経験した方、少なくないんです。
食いしばりや、歯ぎしりには自覚があることがほとんどありません。
例えば、何かとても悔しいことがあって食いしばってしまう時や、思い切り力を入れて踏ん張らなければならない時には、噛んでいるなぁという自覚があると思います。
なので、気がついたときには実は食いしばっていたということも往々にしてあるのです。
さて、今回のブログでは、「食いしばり」という日常的な習慣が私たちの健康にどのような影響を与えるのかに焦点を当てています。
多くの人が無意識のうちに行っている食いしばりですが、実はこれが様々な健康問題の原因となることがあります。
このブログでは、食いしばりの原因とその対策について、わかりやすく解説していきます。
ちょっとした日常生活の小さな習慣が、大きな健康への影響を与えることもあるのです。。
食いしばりとは?
食いしばりとは、無意識に歯を強く噛みしめる行為を指します。
多くの場合、ストレスや集中している時、または睡眠中に無意識に行われます。この習慣は、自覚症状がないことも多く、気づかないうちに続けてしまうことが一般的です。
食いしばりの症状としては、顎の痛みや疲労感、朝起きた時の歯の痛み、頭痛や耳の近くに痛みを感じることがあります。
また、長期にわたる食いしばりは歯の摩耗や破損、さらには歯周病のリスクを高めることもあり、口腔内への影響は大きいと言えます。
歯科的な観点から見ると、食いしばりは顎関節に負担をかけ、顎関節症の原因となることもあります。
また、歯の噛み合わせのアンバランスが食いしばりを促進することもあるため、正しい噛み合わせの重要性が浮き彫りになります。
食いしばりは単なる癖ではなく、多くの口腔内問題に関連する行為なのです。
食いしばりの原因は?
食いしばりの背後にはいくつかの主な原因があります。
最も一般的なのは、ストレスや不安です。
日々の生活の中で感じるプレッシャーや心配事が、無意識のうちに歯を強く噛みしめる癖へとつながるのです。例えば、仕事の締め切りや家族の問題など、心理的ストレスが高まると、その影響で夜間に無意識に食いしばりをしてしまうことがあります。
未解決な問題がある、悩み事がある、気がかりなことが終わらない、明日が不安。
明日起きられるかどうか、寝られるだろうかなど、悩みが尽きないときにも噛み締めてしまう癖へと繋がります。
次に、不適切な咬合も食いしばりの一因として挙げられます。
咬み合わせが正しくない場合、顎の位置が不自然になり、それが食いしばりにつながることがあります。例えば、歯並びが悪い、過剰な噛み合わせ、あるいは欠損した歯によって、顎のバランスが崩れることがあります。
また、生活習慣も食いしばりに大きく関わっています。
特に、睡眠不足は顎の筋肉をリラックスさせることができず、結果として食いしばりにつながることがあります。
さらにはカフェインの過剰摂取は、中枢神経を刺激し、食いしばりを引き起こす可能性があります。
夜遅くのカフェイン摂取は特に影響が大きく、質の良い睡眠を妨げることで、無意識のうちに食いしばりを促すことがあります。
これらの原因を把握し、適切に対処することが、食いしばりを減少させる鍵となります。
午後にはカフェインの入ったものをなるべく取らないようにすることやストレスを管理し、咬み合わせの問題に対処して、健康的な生活習慣を心がけることで、食いしばりを引き起こすリスクを軽減できます。
食いしばりの健康への影響
食いしばりがもたらす健康への影響は見逃せません。
まず、歯に対する影響が大きく、長期間の食いしばりは歯の摩耗や破損の原因となり得ます。
強い圧力が繰り返し歯にかかることで、歯のエナメル質が削れ、やがては歯が弱くなったり、ひびが入ったりすることがあります。
これにより、将来的に歯が欠けやすくなったり、虫歯のリスクが高まったりする可能性があります。
また、食いしばりは顎関節にも大きな負担をかけます。
これにより顎関節症が引き起こされることがあり、顎の痛みやこわばり、口を開ける際の不快感などの症状が現れることがあります。
さらに、顎関節症は頭痛の原因となることもあり、特にこめかみや側頭部に痛みが出ることが多いです。
そうすると、痛みは単に顎の関節の周囲にとどまることを知りません。
その関連して使用している疲弊した筋肉は、頭や首、肩の周辺へとつながります。
そうすると、激しい頭痛や重度の肩こり、慢性的な頭痛や肩こりなどにさらされてしまうのです。そうすると、常に痛み止めが手放せなくなってしまうことや、いつも憂鬱な気分になってしまうなど、残念ながら生活する上でとても辛い状況になってしまうこともしばしばあります。
食いしばりは、単なる口の癖ではなく、歯や顎関節、さらには頭痛など全身的な健康問題に関連することがあるのです。このため食いしばりを少しでも自覚したら、早めの対処と適切な治療を受けることが重要になります。
まとめ
いかがでしたか?食いしばりは単なる癖ではなく、歯や顎、さらには全体の健康にも影響を及ぼすことが分かりました。日々のストレス管理、適切な歯科治療、健康的な生活習慣の維持など、正しい情報と対策を講じることで、食いしばりによる問題を未然に防ぐことができます。
噛み合わせの改善では、歯の当たり方でストレスが強くかかっている歯の負担を軽減することができます。そして、食いしばりを続けてしまうことで疲弊する顎の関節や周囲の筋肉にかかる負担は、食いしばりを防止するためのマウスピースなどでの改善が可能です。
ストレスの管理も、自分自身で閉じこもってしまわぬように誰かに話してみたり、どこかに頼れる場所を見つけておくことも大切です。
辛いときには辛いと言える環境ほど大切なものはありません。自分自身の健康を守れるのは、他の誰でもありません。あなたなのです。
当院では、そんな自覚症状がほとんどない「食いしばり」を防止するためのマウスピース治療も行なっています。最近顎が疲れる、急に歯が痛くなるけど虫歯じゃないことがあった、頬の粘膜に白い横筋が入っている、お口に常に力が入っている、無意識の時にも歯と歯がぶつかっているなど、気になることがあれば遠慮なく当院までご相談ください。
お口の中のお悩みは、なるべく放置することなく早めにご相談いただくことで解決できる手段を増やすことが可能です。結果的になんともなくても大丈夫です。少しても気になることがあれば、ぜひ当院までご相談ください。
お問い合わせ
年中無休で診察しています。