親知らずが与えるお口への影響について

はじめに

今回は、親知らずに関するさまざまなトラブルと、それらの解決策について詳しく説明していきます。親知らずは智歯とも呼ばれ、大人の口の中に生える最後の永久歯です。通常、上顎と下顎の一番奥に左右それぞれ合計4本が生えてきますが、親知らずが原因でさまざまな問題が発生することがあります。特に、現代人の顎は進化の過程で小さくなっているため、親知らずが正常に生えるためのスペースが不足しているケースが多く、その結果、いろいろなトラブルを引き起こすことが多いです。

親知らずが生えること自体は自然なことですが、他の歯とは異なり、生え方や位置によってはお口の健康に悪影響を与える可能性があります。この記事では、親知らずが引き起こす代表的なトラブルや、それに伴う対処法、そして予防策について解説します。

親知らずにまつわる主なトラブル

1. 埋伏歯(埋没歯)

親知らずが完全に生えきらず、歯茎の中や顎の骨の中に部分的または完全に埋まった状態を埋伏歯(埋没歯)と言います。この状態は、現代人の顎が小さくなったことが主な原因です。親知らずが十分にスペースを持たずに生えてくるため、埋まったままになりがちです。この埋伏歯は表面に出ていないため、歯磨きが難しく、結果として虫歯や歯周病のリスクが高まります。

また、埋伏歯は周囲の歯やその根に悪影響を与えることもあります。隣の歯に圧力をかけることで、歯の移動を引き起こし、歯並びを悪化させる可能性があります。また、埋伏歯の周りに膿の袋(嚢胞)が形成されることがあり、これが大きくなると顎の骨にダメージを与えることもあります。嚢胞が大きくなると、周囲の歯や骨に悪影響を与え、手術が必要になることもあるため、早めの対処が重要です。

2. 歯並びの乱れ

親知らずが生えてくると、それまで整っていた歯並びが乱れてしまうことがあります。特に、矯正治療を行って歯並びがきれいに整った後、親知らずが生えてきて歯を押すことで再び歯が動き、歯列が乱れてしまうケースが少なくありません。歯が押されることで、前歯が重なり合ったり、全体的な歯並びが崩れる原因となります。

このような場合、矯正治療をもう一度行う必要が生じることもあります。特に、親知らずが斜めに生えたり、横向きに生えてきた場合、他の歯に強い圧力をかけてしまい、歯列に大きな影響を与える可能性が高まります。このため、親知らずが生えてくるタイミングや位置を定期的に確認することが大切です。

3. 智歯周囲炎

親知らずが部分的にしか生えてこない場合、歯茎の一部が露出した状態になり、そこに食べ物のかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。こうした汚れが原因で、歯茎が炎症を起こし、「智歯周囲炎」という感染症を引き起こすことがあります。智歯周囲炎は、親知らずの周りの歯茎が赤く腫れ、痛みを伴い、場合によっては強い腫れや発熱を引き起こすことがあります。

智歯周囲炎が悪化すると、口を開けるのが困難になったり、喉や耳にまで痛みが広がることがあります。このような症状が現れた場合、抗生物質の処方や消炎剤を用いた治療が行われることが一般的ですが、重度の炎症が続く場合には親知らずの抜歯が必要になることがあります。

親知らずトラブルの予防と対策

1. 毎日の口腔ケアの徹底

親知らずのトラブルを予防するためには、日常的な口腔ケアが非常に重要です。特に、親知らずが生えてくる位置は歯ブラシが届きにくいことが多いため、ブラッシングが十分に行われないケースがよくあります。そのため、小型の歯ブラシや電動歯ブラシ、歯間ブラシを使ってしっかりと磨くことが推奨されます。

また、フロスやジェットウォッシャー(口腔洗浄器)を併用して、親知らずの周りに溜まりやすいプラークや食べ物の残りを効果的に取り除くことが大切です。さらに、フッ素入りのマウスウォッシュを使用することで、虫歯や歯周病のリスクを減少させることができます。特に親知らず周りは虫歯ができやすい場所でもあるため、毎日の丁寧なケアが重要です。

2. 定期的な歯科検診

親知らずの状態を正確に把握するためには、定期的な歯科検診が不可欠です。特に、親知らずが完全に生えていない場合や、埋まっている場合は、歯科医師によるX線検査が重要です。X線を使って、歯茎や骨の中に隠れている親知らずの位置や状態を確認し、将来的にトラブルが起こるリスクを早期に発見できます。

親知らずに関連するトラブルは、早期に対応することで重症化を防ぐことができます。通常、年に1〜2回の定期検診を受けることが推奨されていますが、親知らずのリスクが高い場合は、さらに頻繁に歯科医師の診察を受けることが望ましいです。特に、矯正治療を考えている方や、過去に矯正を行った方は、親知らずの影響を確認しておくことが大切です。

親知らずの治療方法

1. 親知らずの抜歯

親知らずが痛みや炎症、歯並びの乱れを引き起こしている場合、最も一般的な治療法は親知らずの抜歯です。抜歯が必要になる主なケースには、以下のようなものがあります。

親知らずが完全に生えてこない埋伏歯の場合

親知らずが斜めに生えて、隣の歯に圧力をかけている場合

智歯周囲炎が繰り返し発生している場合

歯並びに悪影響を与えている場合

親知らずの抜歯は、局所麻酔を使用して行われます。特に埋伏歯の場合は、歯茎を切開して親知らずを取り出す手術が行われます。歯が深く埋まっている場合には、歯を部分的に分割して取り除くこともあります。

2. 抜歯後のケア

抜歯後のケアは非常に重要で、適切なアフターケアを行うことで、術後の回復を早めることができます。手術後は、患部が腫れることがありますが、保冷剤や冷やしたタオルで腫れを抑えることが推奨されます。冷やしすぎないように注意し、適度に冷却することが大切です。

また、処方された痛み止めや抗生物質を適切に服用し、感染や痛みを防ぎます。抜歯後の傷口を清潔に保ち、歯科医師の指示に従って食事や口腔ケアを行うことが重要です。完全に回復するまでには数日から数週間かかることがあり、その間は無理をせず、適切なケアを続けましょう。

抜歯のメリットとリスク

親知らずの抜歯には、長期的なメリットがあります。例えば、将来的に歯並びが乱れるリスクや、繰り返し発生する炎症や感染を防ぐことができます。特に、親知らずが歯列に悪影響を与えている場合、早めに抜歯することで、矯正治療が不要になる可能性もあります。

一方で、親知らずの抜歯にはリスクも伴います。術後の出血や感染、まれに神経損傷などのリスクがあるため、術後の経過観察が必要です。術後のケアを怠らず、異常があればすぐに歯科医師に相談することが大切です。

まとめ

親知らずに関し的になることがあれば、時間が経過してからの処置になるより早めの対応が功を奏することが多いです。少しの勇気を持ってぜひ当院までご相談ください。

お待ちしております。

お問い合わせ

当医院は完全予約制です(急患は随時対応します)。
年中無休で診察しています。
医院名
テラスモール松戸プランス歯科
住所
〒270-0023 千葉県松戸市八ヶ崎2-8-1 2F
TEL
047-700-5185
time table