虫歯になると歯が痛くなるのはどうして?

1.虫歯とは?

まず、虫歯について基本的なことを理解しておきましょう。虫歯は、主にお口の中に生息する細菌が糖分を分解して酸を生み出し、その酸が歯を構成するエナメル質を溶かしてしまうことから始まります。酸によって歯の表面が徐々に侵食され、進行するとその下の象牙質や歯髄(神経部分)にも影響を与えていくのです。

歯は「エナメル質」「象牙質」「歯髄」という3層構造を持っており、虫歯が進むにつれて、これらの層が徐々に破壊されていきます。そして、それぞれの層が破壊されるごとに、異なる形の痛みが発生します。では、それぞれの層において痛みが生じる理由を見ていきましょう。

2. 虫歯が進行するとどのように痛むのか?

虫歯の痛みは、進行度合いによって変わっていきます。以下の段階ごとに、どのような痛みが出てくるのかを解説します。

a. 初期段階の虫歯(エナメル質の虫歯)

エナメル質は歯の一番外側の層で、歯の表面を覆っています。この部分には神経が通っていないため、エナメル質が溶かされ始めた初期の虫歯では、ほとんど痛みがありません。冷たいものや甘いものがしみることもなく、見た目では白く濁ったような斑点ができる程度です。この段階では、セルフケアの改善やフッ素塗布によって進行を抑えることが可能な場合もあります。

b. 中期段階の虫歯(象牙質の虫歯)

エナメル質がさらに侵食されると、その下にある象牙質まで虫歯が進行します。象牙質には、エナメル質に比べて多くの小さな管が存在しており、これを「象牙細管」と呼びます。この管を通じて歯髄(神経)に刺激が伝わるため、象牙質まで達した虫歯では冷たいものや甘いものがしみるようになります。この「しみる」感覚は、歯の神経が軽度の刺激に対して反応を示している証拠です。この段階で早期に治療を行えば、比較的簡単な治療で虫歯を止めることができます。

c. 重度の虫歯(歯髄に達した虫歯)

象牙質を越えて、ついに歯髄(神経部分)にまで到達した虫歯は、強い痛みを伴います。歯髄は血管や神経が集中しているため、この部分に細菌が感染すると、体が免疫反応を起こし、炎症が生じます。この炎症が痛みの原因です。特に夜になると痛みが強く感じられるのは、血流が集中しやすくなるためです。

また、この痛みは、冷たいものや熱いものに反応するだけでなく、何もしなくてもズキズキと持続的な痛みが生じることが多いのが特徴です。この段階で放置すると、細菌が歯の根元や顎の骨にまで広がる「根尖性歯周炎」を引き起こし、さらなる痛みや腫れを伴う重症化へと進展します。

3. 痛みを防ぐためにはどうすれば良いか?

虫歯による痛みを防ぐためには、虫歯が進行する前に予防や早期発見を行うことが重要です。以下に、痛みを防ぐためにできる取り組みを挙げます。

a. 毎日のブラッシングとフロス

虫歯予防の基本は、歯磨きとデンタルフロスの使用です。特に食後や就寝前には丁寧に歯を磨き、食べかすや歯垢を取り除きましょう。歯間ブラシやフロスを使用することで、歯と歯の間の汚れもきちんと取り除くことができます。歯磨き粉にフッ素入りのものを選ぶと、歯の再石灰化を促し、エナメル質を強化する効果も期待できます。

b. 定期的な歯科検診

虫歯は初期段階では痛みが少ないため、気づかないことも多いですが、定期的な歯科検診を受けることで早期発見が可能です。歯科医師は、エナメル質の初期の変化を確認し、虫歯が進行する前に予防的な処置を行ってくれます。特に虫歯ができやすいと感じる方は、3ヶ月〜6ヶ月ごとに検診を受けると安心です。

c. 食生活の見直し

食生活も虫歯予防に大きく影響します。糖分を多く含む食べ物や飲み物は、虫歯の原因となる細菌が酸を生成しやすくします。おやつや甘い飲み物の摂取を控え、野菜やナッツ、チーズなどの歯に優しい食べ物を取り入れることで、虫歯のリスクを下げることができます。

d. フッ素塗布やシーラント

歯科医院でのフッ素塗布や、シーラントという予防処置も有効です。フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯菌が酸を出しても歯が溶けにくくなります。また、シーラントは奥歯の溝にプラスチックのような素材を塗り、虫歯ができやすい部分を保護する方法です。これにより、初期の虫歯や深い溝に汚れが溜まるのを防ぐことができます。

4. 虫歯ができてしまった場合の治療方法

万が一虫歯ができてしまった場合、痛みが出る前に早期治療を行うことで、痛みの進行を防ぐことができます。虫歯の進行度に応じた治療方法についてご紹介します。

a. 初期の虫歯の治療

初期の虫歯であれば、エナメル質のみが損傷しているため、削らずにフッ素塗布で再石灰化を促すことができます。また、歯科医師のアドバイスに従ってセルフケアを徹底することで、進行を食い止めることが可能です。

b. 中期の虫歯の治療

象牙質まで達した虫歯の場合、進行を止めるために詰め物(インレーやコンポジットレジン)を使用します。この段階での治療は、神経に影響が出る前に終えることができるため、比較的簡単な治療で済むことが多いです。

c. 重度の虫歯の治療

歯髄まで虫歯が進行している場合には、神経を取る「根管治療」が必要になります。痛みの原因となる歯髄の感染部分を除去し、消毒を行ってから封鎖します。根管治療は複数回の通院が必要であり、治療後には被せ物を装着して歯を補強します。

5. まとめ:虫歯の痛みは早期予防と治療で防ぐ

虫歯による痛みは、虫歯が進行するにつれて強くなり、日常生活にも影響を及ぼすことがあります。しかし、毎日の適切なケアや定期的な歯科検診、食生活の見直しなど、予防に力を入れることで痛みの発生を防ぐことができます。

また、万が一虫歯ができてしまった場合でも、早めに治療を受けることで症状の悪化を防ぐことが可能です。歯の健康を保つためには、早期発見・早期治療が重要です。痛みが出る前に、ぜひ歯科医院でのチェックとケアを心がけてみてください。

当院では虫歯の治療をする前の、予防処置に力を入れています。予防処置とは虫歯にさせないお口の環境作りのことを言います。

以前に虫歯で困ったことのある患者様や、これから虫歯になりたくない!と思っていらっしゃる患者様のお役に立てる歯科医院です。

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