親知らずは抜くべき?放置するリスクとは

「親知らずは抜いたほうがいいの?」「痛くないなら放置しても大丈夫?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は、親知らずは必ずしも抜かなければならないわけではありません。しかし、生え方によってはトラブルの原因になることがあります。本記事では、親知らずの生え方の違いや、放置した場合のリスク、抜歯の流れについて詳しく解説します。親知らずで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 親知らずとは?
  2. 生え方の違いと抜歯の判断基準
  3. 親知らずを放置するとどうなる?
  4. 抜歯の流れ
  5. 親知らずのよくある質問(Q&A)
  6. まとめ

1. 親知らずとは?

親知らずとは、前歯から数えて8番目にある奥歯のことです。「第三大臼歯」や「智歯」とも呼ばれます。永久歯の中で最も遅く生えてくる歯で、一般的に10代後半から20代前半にかけて萌出します。
「親知らず」という名前の由来は、生える時期に関係しています。昔は、この歯が生える時期にはすでに親元を離れていることが多く「親が生えてきたことを知らない」ことから、この名前がついたとされています。
もともと人類の祖先は顎が大きく、親知らずが4本すべて生えそろうのが普通でした。しかし、現代人は食生活の変化によって顎が小さくなり、親知らずが生えるスペースが十分に確保できないことが増えています。その結果、親知らずの一部が歯茎に埋まったままだったり、斜めや横向きに生えてしまったりして、正常に萌出できないケースが多くなっています。このような場合、親知らずがトラブルをおこすことがあります。

2. 生え方の違いと抜歯の判断基準

親知らずの生え方には大きく分けて3つのタイプがあり、抜歯の必要性が異なります。それぞれの特徴を見てみましょう。

1.真っ直ぐ生えている場合:抜かなくてもOKなことが多い

親知らずが正常な方向を向き、まっすぐ生えている場合、基本的には問題なく残せるケースが多いです。上下でしっかり噛み合っている場合、他の歯と同じように機能し、噛む力をサポートできます。また、万が一ほかの奥歯を失った際、移植歯として活用できる可能性もあります。さらに、歯を失った際にブリッジ治療の土台として使えることもあります。そのため、無理に抜かずに活かすことを考えるのも選択肢の一つです。

2.斜めまたは横向きに生えている場合:基本的に抜歯が必要

顎のスペースが不足していると、親知らずが斜めや横向きに生えることがあります。これを「半埋伏歯(はんまいふくし)」と呼びます。この状態だと手前の歯を圧迫し、歯並びを悪化させる可能性が高くなります。また、親知らずが歯茎の一部に埋まったままだと、汚れが溜まりやすく、炎症や強い痛みを引き起こすこともあります。これらのリスクを考慮し、多くの場合で抜歯が推奨されます。特に、痛みや腫れを繰り返す場合は、早めに抜いたほうが良いでしょう。

3.歯茎の中に埋まっている場合:症状がなければ経過観察も可能

親知らずが完全に歯茎や骨の中に埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」の場合、症状がなければ無理に抜く必要はありません。ただし、噛み合わせに影響を及ぼしていることや、将来的にトラブルを引き起こす可能性があることがあります。このような場合、抜歯が必要です。また、埋伏歯の周囲に「嚢胞(のうほう)」と呼ばれる袋状の病変ができることがあり、これが大きくなると顎の骨を圧迫してしまう可能性があります。嚢胞は自覚症状がないことも多いため、CT検査などで状態を確認し、リスクがある場合は早めの処置が推奨されます。

3. 親知らずを放置するとどうなる?

抜歯が必要な親知らずを放置していると、次のようなリスクが生じる可能性があります。

1.虫歯や歯周病になる

斜めや横向きに生えた親知らずは、隣の歯と密接しているため、食べかすや汚れが溜まりやすくなります。その結果、歯ブラシが届かず、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。特に、親知らずが部分的に埋まっている場合、周囲の歯茎が炎症を起こし「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」を引き起こすことがあります。

2.歯並びや噛み合わせが悪くなる

横向きに生えた親知らずが前の歯を押すことで、少しずつ歯並びが乱れることがあります。特に、すでに矯正治療を終えた方は、せっかく整えた歯並びが崩れるリスクがあるため注意が必要です。また、歯並びが乱れると噛み合わせが悪くなり、顎の関節や筋肉に負担がかかることがあります。その結果、顎の痛みや違和感が生じるだけでなく、肩こりや頭痛といった症状につながることもあります。

3. 口臭が悪化する

親知らずが正常に生えない場合、歯茎の隙間に食べかすや細菌がたまりやすくなり、口臭が悪化することがあります。特に、親知らずが完全に生えきっていない場合、歯ブラシが届きにくく、口の中が不衛生になりがちです。このような状態が続くと、細菌が増殖し、口臭の原因となることがあります。

4. 抜歯の流れ

親知らずの抜歯は、一般的に次のような流れで行われます。

画像検査 まず、抜歯前にレントゲン撮影を行います。その際、親知らずの根の状態や血管、神経の位置を詳しく確認します。これにより、安全に抜歯を行うための計画を立てることができます。また、親知らずが顎の骨の中に埋まっている場合や難症例の場合は、CTスキャンを用いてさらに精密に検査を行います。

麻酔 抜歯中の痛みを感じさせないよう、局所麻酔を行います。麻酔注射は、電動麻酔器を使用して一定の速度で麻酔液を注入します。そのため、針を刺す際の痛みを最小限に抑えることができます。また、治療に対する強い不安をお持ちの患者様へ、静脈内鎮静法をご用意しています。

③抜歯 正常に生えている場合は、比較的簡単に抜歯できます。しかし、横向きや斜めに生えている場合、または顎の骨に埋まっている場合は、骨を削ったり切開したりするなど、追加の処置が必要となることがあります。

術後の処置 抜歯後は血を止めるためにガーゼを噛んで圧迫します。さらに、傷口の状態によって、縫合を行います。また、術後の痛みをしっかりとコントロールするため、適切な鎮痛薬を処方します。

5. 親知らずのよくある質問(Q&A)

Q1. 痛みや腫れを放置するとどうなりますか?

A. 放置すると、感染が広がって喉や顔にまで炎症が広がることがあります。最悪の場合、命に関わることもありますので、痛みや腫れを感じた場合は早めに受診することが重要です。

Q2. 抜歯は上と下どっちが痛いですか?

A. 一般的には下顎の親知らずの方が痛みが強く感じられることが多いです。下顎の親知らずは骨が硬いため、抜歯に少し時間がかかることがあり、その分痛みを感じやすくなることがあります。

6. まとめ

親知らずは、真っ直ぐ生えていて歯として機能している場合は抜く必要はありません。しかし、痛みや腫れを繰り返したり、歯並びに影響を与えたりする場合は抜歯を検討しましょう。抜歯の判断は自己判断せず、歯科医院で診断を受けることが大切です。

テラスモール松戸プランス歯科では、親知らず治療に伴う痛みや不安を最小限に抑えて安心して受けていただけるよう、さまざまな対策を行っています。また、骨に埋まった親知らずなどの難症例に対しても対応可能な体制を整えています。「抜きたいけど怖い」「埋まっているけど抜いてもらえるかな」など、不安をお持ちの方も、お気軽にご相談ください。患者様の状態に合わせた最適な治療法をご提案し、リラックスして治療を受けていただけるようサポートいたします。

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