歯の神経を抜く?歯を守る最後の砦、根管治療とは

歯医者で「歯の神経を抜く必要があります」と言われて、不安になった経験はありませんか?
「神経を抜く」と聞くと、痛そう・怖いというイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが実はこの処置、歯を残すために非常に重要なプロセスなのです。
根管治療(こんかんちりょう)は、虫歯や感染などで神経がダメージを受けたときに行う治療で、歯を抜かずに長く使い続けるための“最後の砦”。今回は、歯の神経の役割から根管治療の流れ、注意点までをやさしく解説します。神経を抜くかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 根管治療とは?基礎知識
  2. 根管治療が必要になる主なケース
  3. 根管治療の流れ
  4. 治療後のケアと注意点
  5. よくある質問(Q&A形式)
  6. まとめ

1. 根管治療とは?基礎知識

1.歯の神経ってどこにあるの?

まず、根管治療の前に「歯の神経」がどこにあるのかを理解しておきましょう。わたしたちの歯は、外側から「エナメル質」「象牙質」そして中心に「歯髄(歯の神経)」という構造になっています。エナメル質は歯の表面を覆っている硬い部分、象牙質はその下の柔らかい部分です。
そして、歯髄(歯の神経)は、歯の中心部にあり、血管や神経が通っています。この部分は、痛みを感じたり、栄養を運んだりする重要な役割を持っています。歯髄は、細かい血管や神経が集まっているため、非常にデリケートな部分です。普段は意識することが少ない部分ですが、虫歯や歯のダメージが進行すると、この神経が問題を引き起こします。

2.根管治療とは

根管治療とは、歯髄(歯の神経)に炎症や感染が起こった場合に行う治療です。歯髄が細菌に感染すると、膿がたまり、痛みを引き起こしたり、歯の周囲の組織に悪影響を与えることがあります。この場合、感染した歯髄を取り除き、根管内をきれいに掃除した後、薬剤で充填します。これによって、歯を抜かずに保存することができるのです。
「歯の神経を抜く」と聞くと怖いイメージを抱く方もいるかもしれませんが、実際には、歯を失うリスクを減らすために行われる大切な治療です。

2. 根管治療が必要になる主なケース

根管治療が必要になる原因はいくつかあります。詳しく見ていきましょう。

1.虫歯の進行

虫歯が進行してエナメル質・象牙質を超え、歯の神経(歯髄)にまで達すると、激しい痛みや腫れが生じることがあります。この状態を「歯髄炎」といい、自然治癒はほとんど期待できません。神経が細菌に感染したまま放置すると、やがて神経が壊死し、根の先に膿がたまることも。こうした状況では、神経を除去し、内部を清掃・消毒する治療が必要です。

2.歯の割れや折れ

スポーツや事故などにより歯が強い衝撃を受け、割れたり折れたりすると、内部の神経が露出したり、細菌が入り込んだりすることがあります。特に神経に達する深い亀裂や欠損がある場合、強い痛みやしみる症状が現れ、放置すると感染のリスクが高まります。このような場合、神経を取り除き、感染を防ぐための治療が必要です。

3.歯の根先が膿んでいる状態(根尖病変)

過去に神経を抜いた歯でも、根の先に再び炎症が起こることがあります。これは、根管内に残った細菌や再感染が原因で発生する「根尖病変」と呼ばれる状態です。自覚症状がないこともありますが、レントゲンで影が映ることで見つかることが多いです。放置すると膿がたまって腫れや痛みを引き起こすため、再度の根管治療や再感染の除去が必要になります。

3. 根管治療の流れ

根管治療は、いくつかのステップを経て進行します。以下の流れを見ていきましょう。

ステップ1:診断

まずは、歯科医師が歯の状態を診断します。レントゲンを撮影して、歯髄の感染範囲を確認し、治療が必要かどうかを判断します。また、痛みの度合いや腫れの有無を確認し、最適な治療計画を立てます。

ステップ2:麻酔

治療中に痛みを感じないように、局所麻酔を行います。麻酔は通常、歯の治療を行う部分に直接注射され、治療が終わるまで痛みを感じることはありません。

ステップ3:神経の除去

根管治療の主な目的は、感染した歯髄(神経)を取り除くことです。細かい器具を使って神経を慎重に取り除き、感染した部分を除去します。

ステップ4:根管の消毒

神経を取り除いた後、根管内を消毒します。これによって、残った細菌や感染源を完全に取り除きます。根管内がきれいになることで、再感染を防ぎ、治療後のトラブルを防ぎます。

ステップ5:充填

消毒後は、根管内に殺菌効果のある薬や充填材を詰め、密封します。これにより、感染を防ぎ、歯を安定させることができます。根管の充填材は、後で歯を補強するための基盤となります。

ステップ6:歯の修復

最後に、根管治療を受けた歯に被せ物を施し、元の形に戻します。これにより、歯の機能と見た目を回復させます。

4. 治療後のケアと注意点

根管治療を受けた後は、適切なケアを行うことが重要です。治療後の注意点について見ていきましょう。

1.治療後の痛み

根管治療の後は、数日間ほど軽い痛みや違和感を感じることがあります。これは治癒の過程であり、基本的には心配ありません。ただし、痛みが強くなったり長引いたりする場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

2.定期的な検診

根管治療を終えた歯は、再発を防ぐためにも定期的なチェックが欠かせません。歯科医院でレントゲンや視診によって状態を確認し、問題があれば早期に対処することが大切です。治療後もきちんとメンテナンスをすることで、歯を長持ちさせることができます。

3.生活習慣

治療後の歯は一見元通りでも、再発や破折のリスクがあります。硬いものを噛むのは避け、毎日の歯磨きやフロスで清潔を保ちましょう。さらに、歯ぎしり対策や禁煙など、口腔環境を整える生活習慣も歯の寿命を延ばすポイントです。

5. よくある質問(Q&A形式)

Q1:根管治療をしないとどうなりますか?

A:根管治療を受けないまま放置すると、感染が広がり、歯髄(神経)が完全に壊死することがあります。その結果、歯が激しく痛み出したり、膿がたまって腫れたりします。最終的には歯を抜かなければならなくなる可能性が高くなり、歯を失うことになります。

Q2:神経を抜いた歯はどれくらいもちますか?

A:神経を抜いた歯の平均的な寿命は約11年と言われています。しかし、これはあくまで中央値であり、個人差があります。治療後のケアや噛み合わせ、歯ぎしりの有無などによって大きく左右されます。再感染や破折を防ぐためには、定期検診と日々の丁寧なケアがとても大切です。

6. まとめ

根管治療は、虫歯や外傷などで神経が炎症や感染を起こした際に行う、歯を残すための最終手段ともいえる大切な治療です。感染した神経や組織を取り除き、根の中を清掃・消毒して密封することで、歯の寿命を延ばすことが可能になります。
一方で、歯を守るためにはできる限り神経を残すことも重要です。テラスモール松戸プランス歯科では、神経を温存できる可能性がある場合には、「エクストルージョン法」や「CR接着修復法」など、天然歯や神経をできる限り守る治療法も取り入れています。患者様1人ひとりのお口の状態から最善の治療方法をご提案し、歯の健康を守るサポートをいたしますので、お気軽にご相談ください!

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