お子さまの歯を見て、「これって虫歯かも…?」と不安に感じたことはありませんか?
実は、子供の虫歯は初期段階では目立つ症状が出にくく、気づかないうちに進行してしまうことがあります。痛みなどのわかりやすいサインが出る頃には、治療が必要な段階になっていることも。毎日一緒に過ごしている保護者の方でも、気づきにくいケースは多いのです。
この記事では、虫歯の初期症状や見逃しやすいサイン、そして治療法について、わかりやすく解説します。大切なお子さまの歯を守るために、早期発見の参考になれば幸いです。
目次
- 子供の虫歯ができやすい原因とは
- 見逃しやすい!虫歯の初期症状
- 乳歯の虫歯、放置しても大丈夫?
- 子供の虫歯の治療方法
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. 子供の虫歯ができやすい原因とは
子供の歯は大人の歯と比べて構造や生活習慣が異なるため、虫歯ができやすい特徴があります。
1-1. 食生活と口腔ケアの影響
乳歯の表面を覆う「エナメル質」は、永久歯と比べておよそ半分の厚さしかありません。このエナメル質は歯を守る大切なバリアです。しかし、薄いことで虫歯菌が出す酸に弱く、あっという間に虫歯が進行してしまいます。さらに、象牙質(歯の内側の層)まで達するのも早いため、気づいたときには痛みを伴う状態になっていることも少なくありません。
2-2. 子供の生活習慣
子供は甘いお菓子やジュースを好みやすく、間食の回数も多くなりがちです。特に「だらだら食べ」や「寝る前のジュース・ミルク」などは、口の中が長時間酸性状態になり、虫歯のリスクを高めます。さらに、子供の歯磨きはまだ未熟なため、磨き残しが多い傾向があります。特に奥歯や歯と歯の間など、汚れがたまりやすい場所は虫歯ができやすいポイントです。
2. 見逃しやすい!虫歯の初期症状
虫歯のはじまりは痛みがないため、気付きにくいのが特徴です。以下のようなサインを見逃さないようにしましょう。
2-1. 白く濁った歯の表面
虫歯の初期段階では、歯の表面が白く濁ったように見える「白濁(はくだく)」が見られます。これは、歯の表面のエナメル質が溶けはじめているサインです。
2-2. 冷たいものがしみる、片側で噛む
アイスを食べたときや冷たい水を飲んだときに、表情がこわばる・食べたがらないなどの反応があれば要注意です。また、片側ばかりで噛むなどの行動も、歯に違和感があるサインです。これらは、エナメル質の下の象牙質まで虫歯が進行し始めた可能性を示しています。
2-3. 食べ物が詰まりやすくなる
歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなったというのも、虫歯の初期サインかもしれません。これは、虫歯によって歯の形が少し変わり始めているためです。
お子さまが「食べ物が歯に挟まる」と訴えたり、いつも特定の場所で歯間ブラシやフロスを使うと食べ物が出てくる場合は要注意です。
2-4. 歯の溝が茶色くなる
奥歯の溝や歯と歯の間が茶色くなっているのも虫歯のサイン。単なる着色と見分けがつきにくいこともありますが、虫歯菌が繁殖し始めて歯を溶かしている可能性があります。
3. 乳歯の虫歯、放置しても大丈夫?
「どうせ乳歯は生え変わるから、虫歯になっても大丈夫」と考えていませんか?
実はこれは、大きな誤解です。
3-1. 乳歯の役割と重要性
乳歯には、見た目以上に大切な役割がいくつもあります。
まず、乳歯は永久歯が正しい位置に生えてくるための「スペースキーパー」としての役割を果たしています。もし乳歯を虫歯などで早期に失ってしまうと、そのスペースがなくなり、永久歯がずれた位置に生えてしまう恐れがあります。
また、乳歯を使った正しい咀嚼(そしゃく)は、あごの骨の発育や、全身の健やかな成長にも関わっています。しっかり噛むことで、栄養の吸収や顔まわりの筋肉の発達にも良い影響を与えるのです。
さらに、前歯の乳歯は、言葉を話し始める時期の「正しい発音」のためにも重要です。特にサ行やタ行などの発音には、歯の存在が大きく関わっています。
3-2. 乳歯の虫歯が与える影響
乳歯の虫歯を放置すると、次のような問題が生じる可能性があります。
- 虫歯菌が永久歯にも感染しやすくなる
- 乳歯の根の下にある永久歯の歯胚(将来の永久歯)が感染して形成不全を起こす
- 歯並びの問題が生じる
- 言葉の「正しい発音」が難しくなる
4. 子供の虫歯の治療方法
虫歯の治療は、進行度に応じて方法が異なります。初期段階では負担の少ない処置で済むこともありますが、進行している場合はより本格的な治療が必要になります。ここでは、子供に行われる主な治療方法を段階ごとにご紹介します。
4-1. 初期虫歯(C0〜C1程度)に行う主な治療方法
治療方法 | 説明 |
---|---|
フッ素塗布 | 歯の表面にフッ素を塗って再石灰化を促進し、虫歯の進行を防ぎます。痛みもなく、予防にも効果的です。 |
サホライド | 虫歯の進行を抑える薬剤で、銀イオンが虫歯菌の活動を抑制します。 |
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning) | 歯科衛生士によるプロのクリーニングで、歯ブラシでは落とせない汚れや虫歯原因菌を除去します。 |
4-2. 進行した虫歯(C2以上)に行う主な治療方法
治療法 | 説明 |
---|---|
コンポジットレジン充填 | 虫歯を削った後、白いレジン(樹脂)で詰め物をして補修します。見た目が自然で小児にもよく使われる治療です。 |
根管治療 | 虫歯が神経まで達した場合に行う治療で、神経を除去し、根の中を清掃・消毒した上で密封します。複数回の通院が必要になることもあります。 |
5. よくある質問(Q&A)
Q1. 何歳から歯医者に通えばいいですか?
A:すべての乳歯が生えそろう1歳半頃が「歯医者デビュー」の目安です。この時期に定期的な通院(半年に1回程度)を始めることで、虫歯の早期発見・予防につながります。小さいうちから歯医者に慣れておくと、治療への抵抗感も少なくなります。
Q2. 歯科医院ではどのような虫歯予防ができますか?
A:歯科医院では、歯を強くするフッ素塗布や、奥歯の溝を樹脂で埋めて虫歯を防ぐシーラント、年齢や歯並びに合ったブラッシング指導などが受けられます。家庭でのケアとあわせて、定期的なプロの予防処置が大切です。
6. まとめ
子供の虫歯は、大人と違って進行が早く、痛みなどの自覚症状が出にくいのが特徴です。気づいたときにはすでに治療が必要な段階になっていることも少なくありません。そのため、「白い斑点」「食べ物が詰まる」「冷たいものがしみる」などの初期サインを見逃さず、早めに歯科医院を受診することが大切です。
また、乳歯の虫歯は放っておくと、永久歯の生え方や歯並び、発音、あごの発育などに影響を与える可能性があります。たとえ生え変わる歯であっても、きちんとケアをして守っていくことが重要です。
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