転んだり、硬いものを噛んだりして突然「歯が欠けた」というトラブルは意外と多く見られます。
放置すると、見た目の問題だけでなく痛みや虫歯のリスクが高まることも。この記事では、歯が欠けたときの原因や欠け方の違い、応急処置の方法から治療法まで、知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。いざという時のために、ぜひ参考にしてください。
目次
- 歯の構造と欠け方の分類
- 歯が欠ける原因
- 放置した場合のリスク
- 歯が欠けた際の応急処置
- 歯科医院での治療法
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. 歯の構造と欠け方の分類
1-1. 歯の構造
歯は外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄(しずい)」の3つの層からできています。
・エナメル質:歯の最も外側にある白く硬い部分。人体の中で最も硬い組織です。
・象牙質:エナメル質の内側にあり、やや柔らかく、刺激に敏感です。
・歯髄(しずい):いわゆる「神経」が通っている部分で、痛みを感じる役割があります。
1-2. 歯の欠け方の分類
欠けの程度 | 範囲 | 主な症状・特徴 |
---|---|---|
表面的な欠け | エナメル質のみ | 見た目の変化やざらつき感があるが、痛みは少ないことが多い。 |
中程度の欠け | 象牙質まで | 冷たいものや甘いものがしみる。欠けた部分が黄色っぽく見えることもある。 |
深い欠け | 歯髄まで | 強い痛みや拍動性の痛みがあり、緊急性が高い状態。 |
2. 歯が欠ける原因
歯が欠ける原因はさまざまです。ここでは、特に多く見られる5つの代表的な要因をご紹介します。
2-1. 固い食べ物による外力
氷や煎餅、ナッツなどの固い食べ物を噛んだ際に、歯に過度な力が加わると、エナメル質が欠けたりヒビが入ることがあります。特に、詰め物がある歯やすでにヒビが入っている歯は、外力に弱く、思わぬ場面で欠けることがあります。
2-2. 外傷による損傷
転倒や衝突、スポーツ中の接触など、外からの衝撃で歯が欠けることもよくあります。特に、前歯は顔の前面にあるため、ぶつけやすく損傷のリスクが高い部位です。なお、小さなヒビに見えても、内部にダメージが及んでいることもあるため、受傷後はできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
2-3. 歯ぎしりや食いしばり
無意識のうちに歯に過度な力を加えてしまう「歯ぎしり」や「食いしばり」も、歯が欠ける原因になります。特に、睡眠中は力のコントロールができないため、想像以上に歯にダメージが蓄積していることがあります。長期間にわたって繰り返されると、エナメル質に微細なヒビが入り、ある日突然欠けてしまうことがあります。
2-4. 虫歯による歯質の弱化
虫歯が進行すると、歯の内部が溶けてスカスカの状態になり、非常にもろくなります。このような歯は、軽い力でも簡単に欠けたり崩れたりすることがあります。また、見た目には小さな穴でも、内部で虫歯が広がっているケースも多く、欠けたことが虫歯の発見につながることもあります。
2-5. 加齢による歯質の変化
年齢とともに歯は少しずつ水分が減り、乾燥してもろくなる傾向があります。硬いものを噛んだときや、長年の使用による摩耗で、健康な歯でも突然欠けてしまうことがあります。そのため、日々のケアが重要です。
3. 放置した場合のリスク
欠けた歯を放置すると、症状が悪化する可能性があります。
浅い欠けであっても、欠けた部分から細菌が入り込みやすくなり、虫歯や歯の神経の炎症(歯髄炎)を引き起こすことがあります。また、欠けた部分が舌や頬を傷つけ、口内炎や違和感の原因になることもあります。
中程度〜重度の欠けでは、神経がむき出しになり、強い痛みや歯の根の感染、最悪の場合は抜歯が必要になることも。そのため、欠けの程度にかかわらず、早めの対応が重要です。
4. 歯が欠けた際の応急処置
4-1. まずは落ち着いて状態を確認
まずは鏡を使って口の中の状態を確認してください。どの歯が、どれくらい欠けているかをチェックし、可能であれば欠けた歯の破片を探して回収します。
拾った破片は乾燥しないよう注意が必要です。ティッシュに包むだけでなく、牛乳や生理食塩水など水分を保てる容器に入れて保管すると、歯科医院で再接着できる可能性が高くなります。なお、水道水でも応急的には使用可能ですが、長時間の保存は避けてください。
4-2. 出血している場合の対応
欠けた歯の周辺や歯茎、口の中が出血している場合は、すぐに清潔なガーゼやティッシュを使って軽く圧迫し、止血を試みましょう。ただし、強く押しすぎると傷口を悪化させることがあるため、優しく数分間押さえるのがポイントです。
出血がなかなか止まらない、あるいは出血量が多い場合は、感染や深い損傷の恐れもあるため、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
4-3. 痛み・腫れがあるときは冷やす
欠けた歯が神経に近い場合や、外傷による影響があると、痛みや腫れを伴うことがあります。そのようなときは、保冷剤や冷たいタオルを頬の外側から当てて冷やすと症状が緩和されることがあります。
ただし、冷やしすぎると逆に血流を悪化させる恐れがあるため、10分程度を目安に、冷やす→少し休む→また冷やすを繰り返すのが効果的です。また、痛み止めを服用する場合は、事前に医師や薬剤師に相談するのが安心です。
5. 歯科医院での治療法
欠けの程度 | 主な治療法 |
---|---|
表面的な欠け | ・研磨(ポリッシング) ・レジンでの簡単な修復 |
中程度の欠け | ・レジンでの広範囲の修復 ・インレー(詰め物)やクラウン(被せ物) |
深い欠け | ・根管治療(神経の処置) ・抜歯が必要な場合、インプラント・入れ歯・ブリッジ |
6. よくある質問(Q&A)
Q1:歯が欠けても痛くないのですが、本当に治療が必要ですか?
A:神経を取った歯は内部がもろくなり、欠けやすくなります。また、大きな詰め物が入っている歯や、虫歯で歯質が弱くなっている歯も注意が必要です。さらに、無意識の歯ぎしりや食いしばりも歯に大きな負担をかけるため、欠けやすくなる原因の一つとされています。
Q2:市販の接着剤でくっつけても大丈夫ですか?
A:市販の接着剤はお口の中での使用が想定されておらず、衛生面や安全性に問題があります。そのため、自己判断での接着は避け、必ず歯科医院で処置を受けてください。
7. まとめ
歯が欠けるトラブルは、日常生活の中で突然起こることがあります。固い食べ物や歯ぎしり、虫歯の進行など、気づかないうちに歯に負担がかかっていることも少なくありません。欠けたまま放置してしまうと、痛みや炎症、噛み合わせの悪化といったさらなる問題を引き起こすこともあるため、早めの対応が大切です。まずは落ち着いて応急処置を行い、歯科医院を受診しましょう。欠け方や歯の状態に応じた適切な治療を受けることで、機能も見た目も回復できます。
テラスモール松戸プランス歯科では、一人ひとりに寄り添う総合診療を行っております。すべての患者様に「まごころ」を持って接し、安心して治療を受けていただける環境づくりに努めています。歯が欠けたなどのお悩みも、どうぞお気軽にご相談ください。
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