歯周病は自分で治せる?進行を防ぐセルフケアと治療の流れ

「歯茎が腫れているけど、これって自分で治せるの?」
「歯周病ってどこまでならセルフケアで対応できるの?」
そんな疑問や不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
歯周病は初期の段階であれば、正しいセルフケアで改善が期待できますが、進行すると専門的な治療が必要になります。本記事では、歯周病の原因や進行のしくみ、効果的なセルフケア方法、そして歯科医院で行う治療までをわかりやすく解説します。歯茎の健康を守り、将来後悔しないためにぜひ参考にしてください。

目次

  1. 歯周病とは?
  2. 症状と進行段階
  3. 歯周病は自分で治せる?セルフケアの限界と可能性
  4. 歯周病の効果的なセルフケア方法
  5. 歯科医院で行う歯周病治療
  6. よくある質問
  7. まとめ

1. 歯周病とは?

きれいな歯と歯の状態をチェックする歯科医師の手

歯周病とは、歯の周りの組織(歯茎や歯を支える骨)に起こる炎症性の病気です。
主な原因は、「歯垢(プラーク)」と呼ばれる細菌の塊です。歯と歯茎の境目に溜まりやすく、きちんと取り除かないと炎症の原因になります。

私たちのお口の中には、常に数百種類の細菌が存在しています。普段は唾液や日々のケアによってバランスが保たれていますが、歯磨きが不十分だったり、糖分の多い食生活を続けていたりすると、歯垢が蓄積しやすくなります。

歯垢がそのまま残ると、細菌が毒素を出し、歯茎に炎症が起こります。これが歯周病の始まりです。さらに進行すると、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」と呼ばれるすき間ができ、そこに細菌が侵入して、より深く広がっていきます。

2. 症状と進行段階

歯周病ではない状態のよい歯茎

歯周病は、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれます。
その名の通り、初期段階ではほとんど痛みがなく、気づかないうちにゆっくり進行するのが特徴です。「歯が痛くないから大丈夫」と思っていても、実は歯茎の奥でじわじわと炎症が進み、気づいたときには歯を支える骨が溶け始めていた……というケースも少なくありません。

実際に、日本では成人の約8割が何らかの歯周病にかかっているとも言われています。以下に、歯周病の進行段階と主な症状を、歯周ポケットの深さとともにまとめました。

段階歯周ポケットの深さ主な症状
初期:歯肉炎2〜3mm程度・歯茎が赤く腫れる
・歯磨き時に出血する
・朝起きたときに口の中がねばつく
中等度:歯周炎4〜5mm程度・歯茎が下がってきた
・歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
・口臭が強くなる
重度:進行した歯周炎6mm以上・歯がぐらぐらする
・噛むと痛い
・歯茎から膿が出ることがある

3. 歯周病は自分で治せる?セルフケアの限界と可能性

歯磨きで出血している歯周病の歯茎

3-1. 自分で治せるケース:初期の歯肉炎

歯茎の炎症が歯茎の表面だけにとどまっている初期段階であれば、毎日の丁寧な歯磨きや口腔ケアにより、改善が期待できます。特に以下のような症状がある場合は、セルフケアの見直しが有効です。

・歯磨き時に少し出血する
・歯茎がむずがゆい
・歯茎の色が赤っぽくなってきた

ただし、症状が数週間たっても改善しない場合は、一度歯科医院でチェックを受けましょう。

3-2. 専門的な治療が必要なケース:中等度以上の歯周炎

歯を支える骨にまで影響が及んでいる場合、以下の理由からセルフケアだけでは対応が困難です。

歯石の除去が必要:歯垢が硬くなった「歯石」は、歯ブラシでは取り除けません。特に歯周ポケットの中にできた歯石は、専門的な器具での除去が必要です。

細菌の除去が困難:歯周ポケットが深くなると、通常のブラッシングでは奥まで届かず、内部の細菌を取り除くことができません。

組織の再生が必要:進行した歯周病では、歯茎や骨などの歯周組織が破壊されていることが多く、再生には歯科医院での治療が必要になります。

4. 歯周病の効果的なセルフケア方法

歯周病予防に効果的なデンタルフロス

では、初期段階で改善を目指すには、どのようなケアが有効なのでしょうか?

歯ブラシによる正しいブラッシング:歯と歯茎の境目に毛先を45度で当て、小刻みにやさしく動かす「バス法」が効果的です。強くこすらず、1回3分以上を目安に丁寧に磨きましょう。

デンタルフロス・歯間ブラシの併用:歯ブラシだけでは歯間の汚れを約60%程度しか落とせないといわれています。毎日フロスや歯間ブラシを使うことで、歯茎の健康を守ることができます。

洗口液(マウスウォッシュ)の活用:抗菌作用のある洗口液を取り入れると、細菌バランスを整える助けになります。ただし、歯磨きの代わりにはならない点に注意が必要です。

食生活の見直し:甘いものの頻繁な摂取は歯周病菌の栄養源になります。間食の回数を減らす、食後はうがいや歯磨きを習慣づけるなどの工夫で、歯茎の健康を守りましょう。また、よく噛んで唾液を増やすことも自浄作用を高めるポイントです。

5. 歯科医院で行う歯周病治療

歯をチェックしている鏡

進行した歯周病は、自宅でのケアだけでは改善が難しく、歯科医院での治療が必要です。治療は段階的に進められます。

歯周基本治療

まずは歯周病の原因である歯垢や歯石を取り除き、歯茎の炎症を抑えることを目的とします。
・スケーリング(歯石の除去)
・ルートプレーニング(歯根表面を滑らかにして細菌の再付着を防ぐ)
・ブラッシング指導や生活習慣の改善アドバイス

これらを行うことで、歯周ポケットが浅くなり、炎症が和らいでいきます。

歯周外科治療

基本治療を行っても深い歯周ポケットが残る場合や、歯周病の進行度が高い場合には外科的処置を行うことがあります。歯茎を切開して奥深くの歯石や感染部位を取り除き、歯周組織の状態を整えます。また、状態が整えば骨や歯茎の再生を目指す再生療法が行われることもあります。

メンテナンス(定期検診)

治療後も3〜6ヶ月ごとの定期メンテナンスが欠かせません。歯垢や歯石の除去だけでなく、歯茎の状態やかみ合わせのチェックも行い、再発を防ぎます。

6. よくある質問

歯の質問を受け付ける画像

Q1:歯茎から血が出るのは歯周病ですか?

A:歯茎からの出血は歯周病の初期症状であることが多いです。しかし、ブラッシングの力加減が強すぎる、ビタミン不足など他の原因の場合もあります。気になるときは歯科医院で相談しましょう。

Q2:歯周病治療にはどのくらいの期間がかかりますか?

A:歯周病の進行度や生活習慣によって異なりますが、軽度なら数週間〜数ヶ月で改善が期待できます。中等度以上では基本治療に加え外科処置や定期メンテナンスを含め、半年以上かかることもあります。

7. まとめ

歯周病は初期段階であれば、毎日の丁寧なセルフケアで進行を防ぐことができます。しかし進行してしまった場合には、歯科医院での専門的な治療や定期的なメンテナンスが欠かせません。歯茎の腫れや出血など、少しでも気になる症状がある方は、早めの相談が大切です。大切な歯と健康を守るために、毎日のケアと歯科医院でのチェックを続けていきましょう。

テラスモール松戸プランス歯科では、「1本の歯だけ」ではなく「お口全体」を見渡す歯科治療を提供しています。患者様一人ひとりの生活習慣や噛み合わせまで総合的に考慮し、将来を見据えた予防・メンテナンスにも力を入れています。歯茎の腫れや出血、違和感など、どんな小さなお悩みでもお気軽にご相談ください。

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