
毎日丁寧に歯磨きをしているのに、歯科検診で「歯茎から出血していますね」「歯と歯の間に汚れが残っています」と言われた経験はありませんか?実は、普通の歯ブラシだけでは口の中全体の約40%程度の汚れが残ってしまいます。
しかし、この残った汚れを効率的に除去する方法があります。それが、歯間ブラシとデンタルフロスを使った歯間清掃です。さらに、これらの正しい使用方法は保険適用の予防指導で学ぶことができるため、経済的負担を抑えながら虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことが可能です。
そこで今回は、松戸市テラスモール松戸プランス歯科での保険適用の予防指導をもとに、歯間清掃の正しい方法を分かりやすくお伝えします。
目次
- 保険適用の予防指導とは?
- なぜ歯間清掃が重要なのか
- 歯間ブラシの選び方と使用法
- デンタルフロスの効果的な使い方
- よくある質問とお答え
- まとめ:保険を活用した口腔健康管理
保険適用の予防指導とは?

1-1. 保険でできる口腔衛生指導の内容
まず、多くの方がご存知ないのが、歯科医院では保険適用で「口腔衛生指導」という予防処置を受けることができるということです。これは単なる歯磨き指導ではなく、むしろ患者様お一人おひとりのお口の状態に合わせた専門的な指導なのです。
具体的には、保険適用の口腔衛生指導には以下の内容が含まれます:
- 正しいブラッシング技術の習得
- 歯間清掃用具の選択と使用法指導
- 口腔内の状態説明と問題箇所の確認
- 個別の清掃計画立案
1-2. 予防指導を受けるメリット
では、なぜ保険適用の予防指導を受けることが重要なのでしょうか?主なメリットをご紹介します。
まず第一に、経済的負担の軽減 保険が適用されるため、自費での指導と比べて専門的な指導を経済的負担を大幅に抑えて受けることができます。
次に、専門的な知識の習得 歯科衛生士による専門的な指導により、インターネットや書籍では学べない効果的な清掃方法を正しく習得できます。
そして最も重要なのが、個別対応 お口の状態は人それぞれ大きく異なります。したがって、保険適用の指導では、あなただけの清掃計画を立てることができるのです。
2. なぜ歯間清掃が重要なのか

2-1 歯ブラシでは届かない危険地帯
ここで重要な事実をお伝えします。歯と歯の間は、まさに「清掃の盲点」と言える場所です。なぜなら、どんなに上手に歯磨きをしても、普通の歯ブラシの毛先は歯間の奥深くまで届かないからです。
例えば、コーヒーを飲んだ後、歯に何かが挟まった感覚を覚えたことはありませんか?その感覚が数時間続くと、とても不快に感じますよね。実際には、見えない食べかすや細菌の塊が、24時間365日そこに留まり続けていると想像してみてください。
2-2 歯間に残る汚れが引き起こす深刻な問題
それでは、歯間に残った汚れは具体的にどのような問題を引き起こすのでしょうか?
第一に、隣接面虫歯のリスク 歯と歯の間にできる虫歯は発見が遅れやすく、残念ながら痛みを感じた時には既に神経まで達している場合が多くあります。
第二に、歯周病の進行 歯茎の炎症の多くは歯間部から始まります。そのため、放置すると最終的には歯を支える骨まで溶かしてしまう可能性があります。
第三に、口臭の原因 特に朝起きた時の口臭が気になる方は、歯間に残った食べかすや細菌が主な原因かもしれません。
2-3 数値で見る歯間清掃の効果
ここで、歯間清掃の効果を数値で確認してみましょう。研究によると、歯ブラシのみの清掃では口腔内の汚れの約60%しか除去できません。しかし、歯間清掃用具を併用することで、除去率は約90%まで向上します。つまり、この30%の差が、将来の口腔健康に大きな違いを生むのです。
3. 歯間ブラシの選び方と使用法

3-1 サイズ選びが最重要
それでは、実際の歯間清掃について詳しく見ていきましょう。まず、歯間ブラシで最も重要なのは適切なサイズ選びです。なぜなら、サイズが合わないと効果が得られないだけでなく、逆に歯茎を傷つけてしまう可能性があるからです。
主要サイズ目安
- SS(0.8mm):前歯の歯間、初心者向け
- S(1.0mm):標準的な歯間、多くの方に適用
- M(1.2mm):奥歯や歯間が広がった部分
ただし、自己判断でサイズを選ぶのは危険です。そのため、保険適用の予防指導では、歯科衛生士が実際にお口の中を確認しながら最適なサイズを選定してくれます。
3-2 正しい使用方法
準備と挿入
- 明るい場所で鏡を見ながら行う
- 歯間ブラシを水で軽く湿らせる
- 歯茎に対して45度の角度で挿入
- 無理に押し込まず、歯間の形状に沿って自然に入れる
効果的な清掃
- 前後に2-3回ゆっくり動かす
- 隣り合う両方の歯の面を意識して清掃
- 一つの歯間につき10-15秒程度時間をかける
- 入れた時と同じ角度でゆっくりと引き抜く
3-3 使用時の注意点
ここで、初心者の方が特に注意すべき点をお伝えします。
初回使用時の出血について まず、軽い出血があることがありますが、これは炎症を起こした歯茎の反応です。したがって、適切な使用を継続することで改善されることが一般的です。ただし、激しい痛みや大量の出血がある場合は、すぐに歯科医院にご相談ください。
力加減の重要性 また、「汚れをしっかり落とそう」という気持ちから、つい力を入れがちです。しかし、強すぎる力は歯茎や歯を傷つける原因となります。そのため、「優しく、でも確実に」を心がけることが基本です。
4.デンタルフロスの効果的な使い方

4-1 フロスの種類と特徴
一方、デンタルフロスにはいくつかの種類があります。保険適用の予防指導では、患者様の口腔状態に応じて最適なフロスの種類をご提案します。
ワックス付きフロス まず、滑りが良く、初心者の方や歯間が狭い方に特に適しています。
ワックスなしフロス 次に、繊維がバラけて歯面に密着しやすく、そのため高い清掃効果が期待できます。
フロスピック(糸ようじ) 最後に、持ち手付きで操作が簡単、さらに外出先でも使いやすいタイプです。
4-2 正しいフロスの使用法
準備
- フロスを40cm程度(手首から肘までの長さ)で切る
- 両手の中指に巻き付け、人差し指と親指で操作部分を1-2cm作る
挿入と清掃
- 歯と歯の間にのこぎりのように前後に動かしながらゆっくり挿入
- 歯茎のポケットまで入れる
- フロスを片方の歯の面に沿ってC字型に曲げる
- 歯茎のポケットから歯の先端に向かって5-6回上下に動かす
- 反対側の歯の面も同様に清掃
取り出し 片方の指からフロスを外し、もう片方の指で引き抜くか、挿入時と同じ要領で取り出します。
5. 効率的な清掃順序

ところで、歯間清掃と通常の歯磨きはどちらを先に行うべきでしょうか?保険適用の予防指導で教わる推奨される清掃の流れは以下の通りです:
- まず歯間清掃:最初に歯間の汚れを浮き上がらせる
- 次に歯ブラシによるブラッシング:浮き上がった汚れを除去
- 最後にうがい:除去した汚れを洗い流す
慣れてしまえば、全体で5-8分程度で完了できます。
6. よくある質問(Q&A)

Q1: 歯間ブラシとフロス、どちらを使えばよいでしょうか?
A: 基本的には歯間の状況に応じて使い分けることが推奨されます。
歯間ブラシが適している場合
- 歯間が比較的広い奥歯部分
- 歯周病で歯茎が下がっている部分
- 操作が簡単で継続しやすい
フロスが適している場合
- 歯間が狭い前歯部分
- より細かな清掃が必要な部分
多くの場合、部位によって使い分けることが最も効果的です。予防指導では、お口の状態を確認した上で最適な組み合わせをご提案いたします。
Q2: 使用中に出血しますが、続けても大丈夫ですか?
A: 歯間清掃を始めた当初の軽い出血は、多くの場合心配ありません。
正常な範囲の出血
- 使用開始から1週間程度で徐々に減少
- 軽い出血で、すぐに止まる
注意が必要な出血
- 1週間以上続く大量の出血
- 激しい痛みを伴う出血
後者の症状がある場合は、使用方法を見直すか、歯科医院での相談をお勧めします。
7. まとめ:保険を活用した口腔健康管理
歯間ブラシとデンタルフロスを使った歯間清掃は、口腔健康維持において欠かせない習慣です。正しい使用方法を学ぶ最も確実で経済的な方法が、保険適用の予防指導を受けることです。
今日から始められるアクション
- 歯科医院での相談:保険適用の予防指導について相談
- 正しい技術の習得:専門家による指導で効果的な方法を学習
- 継続的な実践:毎日少しずつでも習慣化を図る
保険を活用するメリット
- 経済的負担の軽減:専門的指導を保険適用で受けられる
- 個別対応:あなたのお口に最適な方法を学べる
- 予防効果:将来の治療費削減につながる
毎日の歯間清掃は、将来にわたって自分の歯で美味しく食事を楽しむための重要な投資です。保険適用の予防指導を活用して、正しい知識と技術を身につけましょう。
テラスモール松戸プランス歯科では、患者様お一人おひとりに合わせた保険適用の予防指導を実施しております。歯間清掃について分からないことがあれば、お気軽にご相談ください。専門的な知識を持った歯科衛生士が、あなたの口腔健康をサポートいたします。
保険を上手に活用して、生涯にわたる口腔健康を一緒に目指していきましょう。皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。
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