保険適用の定期検診でできること

「歯医者は痛くなってから行くもの」と思っていませんか?また、「定期検診は自費で高額なのでは?」と心配されている方も多いのではないでしょうか。

実は、歯科の定期検診の多くは保険適用で受けることができ、しかもその効果は計り知れません。定期検診を受けている人と受けていない人では、将来的な治療費に数十万円の差が生まれることもあります。

さらに重要なことは、定期検診により早期発見・早期治療が可能になることです。例えば、小さな虫歯なら1回の治療で済むものが、放置すると神経の治療や被せ物が必要になり、治療回数も費用も大幅に増加してしまいます。

そこで今回は、松戸市テラスモール松戸プランス歯科での診療経験をもとに、保険適用の定期検診について、具体的にどのような検査や処置ができるのか、そして早期発見・早期治療がなぜ重要なのかを分かりやすく解説いたします。

目次

  1. 保険適用の定期検診とは?
  2. 定期検診で行う検査項目
  3. 早期発見できる口腔疾患
  4. 保険適用の予防処置
  5. 早期治療のメリットと効果
  6. よくある質問とお答え
  7. まとめ:定期検診で健康な口腔を維持

保険適用の定期検診とは?

1-1. 日本の歯科検診制度の特徴

まず、日本の歯科検診制度について基本的なことをお伝えします。日本では、症状がなくても定期的な口腔内の検査や清掃を保険適用で受けることができます。つまり、患者様の自己負担は1割から3割程度で済むのです。

1-2. 定期検診と治療の違い

多くの方が混同されがちですが、定期検診と治療には明確な違いがあります:

定期検診の目的

一方、治療の目的

しかし、定期検診中に虫歯や歯周病が発見された場合は、そのまま保険適用で治療に移行することが可能です。

1-3. 保険適用の定期検診のメリット

第一に、経済的負担の軽減 最も大きなメリットは、やはり経済的な負担が軽減されることです。

第二に、病気の早期発見 また、症状が出る前に問題を発見できるため、軽微な治療で済むことが多くなります。

第三に、継続的な健康管理 さらに、継続的に口腔内の状態を管理することで、長期的な健康維持が可能になります。

2. 定期検診で行う検査項目

2-1 基本的な口腔内検査

定期検診では、まず口腔内全体の状態を詳しく検査します。

視診による検査 まず、歯科医師が目視で口腔内を詳しく観察します。この際、虫歯の有無、歯茎の状態、口腔粘膜の異常などをチェックします。

触診による検査 次に、必要に応じて触診を行い、腫れやしこりの有無を確認します。

2-2 歯周病検査

歯周病は日本人の成人の約80%がかかっているといわれる疾患です。そのため、定期検診では必ず歯周病の検査を行います。

歯周ポケット検査 まず、プローブという細い器具を使って、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さを測定します。健康な状態では3mm以下ですが、歯周病が進行すると深くなります。

出血検査(BOP) また、歯茎からの出血の有無を確認します。炎症がある部位では、軽い刺激でも出血することがあります。

2-3 レントゲン検査

パノラマレントゲン まず、口腔内全体を一度に撮影できるパノラマレントゲンを撮影します。これにより、歯の根の状態、顎の骨の状態、親知らずの位置などを確認できます。

デンタルレントゲン また、特定の部位をより詳しく調べる必要がある場合は、デンタルレントゲンを撮影します。

2-4 口腔がん検診

近年、口腔がんの発症率が増加傾向にあります。そのため、定期検診では口腔がんの早期発見も重要な目的の一つです。舌、頬の内側、歯茎、口の底などの粘膜を詳しく観察し、異常な病変がないかを確認します。

3. 早期発見できる口腔疾患

3-1 虫歯の早期発見

初期虫歯(CO) まず、歯の表面が白く濁った状態の初期虫歯を発見できます。この段階では、まだ穴は開いておらず、フッ素塗布や適切な歯磨きで改善が期待できます。

小さな虫歯(C1) また、エナメル質に小さな穴が開いた段階の虫歯も早期に発見できます。この段階であれば、簡単な詰め物の治療で済みます。

3-2 歯周病の早期発見

歯肉炎の段階 まず、歯茎の炎症が軽い歯肉炎の段階で発見できます。この段階では、適切な歯磨きと歯石除去で改善が可能です。

軽度歯周炎 また、歯周ポケットが少し深くなった軽度歯周炎も早期に発見できます。

3-3 その他の疾患の早期発見

口腔粘膜疾患 口内炎、白板症などの粘膜疾患も早期に発見できます。

顎関節症 また、顎の関節や筋肉の異常も早期に発見し、適切な対処法を指導できます。

歯ぎしり・食いしばり さらに、歯の摩耗状態から歯ぎしりや食いしばりの兆候も発見できます。

4. 保険適用の予防処置

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4-1 歯石除去(スケーリング)

歯石除去の重要性 歯石は歯ブラシでは除去できないため、専用の器具で除去する必要があります。

スケーリングの手順

最後に、フッ素塗布で仕上げ

まず、超音波スケーラーで大きな歯石を除去

次に、ハンドスケーラーで細かい部分を清掃

その後、歯の表面を研磨

4-2 口腔衛生指導

ブラッシング指導 まず、患者様一人ひとりの口腔内の状態に合わせた歯磨き方法を指導します。

歯間清掃指導 また、デンタルフロスや歯間ブラシの正しい使い方も指導します。

5.早期治療のメリットと効果

5-1 治療の負担軽減

身体的負担の軽減 まず、早期に発見された病気は、治療による身体的負担が軽減されます。例えば、小さな虫歯なら麻酔なしで治療できることも多く、治療時間も短時間で済みます。

治療回数の減少 また、早期治療により治療回数を大幅に減らすことができます。

5-2 経済的メリット

治療費の大幅削減 早期治療により、治療費を大幅に削減できます。例えば、以下のような差があります:

将来的な医療費の抑制 さらに、定期検診を受けている人は、生涯の歯科医療費が大幅に少ないことが研究で明らかになっています。

5-3 歯の寿命延長と全身健康への影響

歯の保存率向上 早期治療により、歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。また、自分の歯で食事ができることは、QOL(生活の質)の維持に直結します。

全身疾患との関係 歯周病は糖尿病、心疾患、脳血管疾患などとの関連が指摘されています。そのため、歯周病の早期発見・治療は全身の健康維持にも重要です。

6. よくある質問とお答え

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Q1: 症状がなくても定期検診を受ける必要がありますか?

A: はい、症状がなくても定期検診を受けることが重要です。

早期発見の重要性 まず、多くの口腔疾患は初期段階では症状がありません。特に、虫歯や歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれることもあります。

予防効果と経済的メリット また、定期的な清掃や予防処置により、病気の発症を防ぐことができ、さらに定期検診により将来的な治療費を大幅に削減できます。

Q2: 定期検診はどのくらいの時間がかかりますか?

一般的に、定期検診は30分〜1時間程度です。

検査内容による変動 まず、口腔内の状態や必要な検査により時間は変動します。また、初回の検診では詳しい問診や検査が必要なため、やや時間がかかることがあります。

メンテナンスの場合 一方、定期的なメンテナンスの場合は、比較的短時間で済むことが多いです。

Q3: 定期検診で痛みを感じることはありますか?

基本的に、定期検診で強い痛みを感じることはありません。

歯石除去時の感覚 まず、歯石除去の際に軽い振動や冷たさを感じることがあります。また、知覚過敏がある方は、清掃時に一時的にしみることがあります。

痛みへの対処 さらに、痛みが予想される場合は、表面麻酔などで対処することも可能です。

Q4: どのくらいの頻度で受ければよいですか?

A: 一般的には6ヶ月に1回の頻度が推奨されます。

リスクが高い方の場合 一方、歯周病の既往がある方、虫歯になりやすい方、全身疾患がある方、喫煙者の方は3〜4ヶ月に1回の頻度が推奨されます。

個別の調整 また、個々の口腔内の状態や生活習慣に応じて、頻度を調整する必要があります。

7. まとめ:定期検診で健康な口腔を維持

以上のように、保険適用の定期検診では多くの検査や予防処置を受けることができます。重要なことは、症状が出る前に定期的に受診することです。

定期検診の重要なポイント

まず、早期発見・早期治療の実現 定期検診により、病気を早期に発見し、軽微な治療で済ませることができます。

次に、予防効果の最大化 また、定期的な清掃や予防処置により、病気の発症を防ぐことができます。

そして、経済的メリットの享受 さらに、定期検診により将来的な治療費を大幅に削減できます。

保険制度の活用

経済的負担の軽減 まず、保険適用により経済的な負担を抑えて定期検診を受けることができます。

継続的な健康管理 また、継続的に定期検診を受けることで、長期的な口腔健康を維持できます。

全身健康への貢献 さらに、口腔の健康は全身の健康にも大きく影響するため、定期検診は全身の健康管理の一環でもあります。

定期検診は「予防に勝る治療なし」という言葉を体現する重要な機会です。また、現代の歯科治療は痛みも少なく、保険適用により経済的な負担も軽減されています。

最も大切なことは、症状が出る前に定期的に歯科医院を受診することです。松戸市テラスモール松戸プランス歯科では、患者様お一人おひとりの状況に応じた保険適用の定期検診を提供しております。

ぜひ、保険制度を活用して、生涯にわたる口腔健康を維持していきましょう。皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。

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