
「入れ歯は高額なのでは?」「保険でどこまで対応できるの?」このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。実は、歯を失った後の治療法として、入れ歯は保険適用で受けることができる代表的な選択肢です。
日本では、保険適用の入れ歯治療により、経済的な負担を抑えながら、噛む機能や見た目を回復することが可能です。しかし、入れ歯には様々な種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
そこで今回は、松戸市テラスモール松戸プランス歯科での治療経験をもとに、保険適用の入れ歯治療について、部分入れ歯から総入れ歯まで、その種類と特徴を分かりやすく解説いたします。
目次
- 保険適用の入れ歯治療とは?
- 部分入れ歯の種類と特徴
- 総入れ歯の種類と特徴
- 入れ歯治療の流れ
- 入れ歯のメンテナンス
- よくある質問とお答え
- まとめ:保険治療で快適な入れ歯生活
保険適用の入れ歯治療とは?

1-1. 日本の入れ歯治療における保険制度
まず、日本の入れ歯治療における保険制度について説明します。幸い、入れ歯治療は基本的に健康保険の適用範囲内で受けることができます。つまり、患者様の自己負担は治療費の1割から3割程度で済むのです。
1-2. 入れ歯治療が必要な場合
入れ歯治療は、以下のような状況で必要になります:
歯を失った場合 まず、虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った場合に入れ歯が選択肢となります。
複数の歯を失った場合 また、複数の歯を失った場合、ブリッジでは対応できないことがあり、入れ歯が適しています。
全ての歯を失った場合 さらに、全ての歯を失った場合は、総入れ歯による治療が必要になります。
1-3. 保険適用の入れ歯のメリット
第一に、経済的負担の軽減 最も大きなメリットは、やはり治療費の負担が大幅に軽減されることです。
第二に、治療期間の短さ また、比較的短期間で治療を完了できることが多いです。
第三に、修理や調整の容易さ さらに、入れ歯は修理や調整が比較的容易で、これらも保険適用で行えます。
2. 部分入れ歯の種類と特徴

2-1 部分入れ歯とは
部分入れ歯とは、一部の歯を失った場合に使用する入れ歯です。例えるなら、パズルの欠けたピースを埋めるようなものといえるでしょう。残っている歯にバネ(クラスプ)をかけて固定します。
2-2 保険適用の部分入れ歯の構造
主要な構成要素
- 人工歯:失った歯の代わりとなる部分
- 床(しょう):ピンク色の樹脂製の土台部分
- クラスプ(バネ):残っている歯に引っ掛ける金属のバネ
- 連結部:各パーツをつなぐ部分
これらすべてが保険適用の範囲内で製作されます。
2-3 部分入れ歯の種類
少数歯欠損用(1〜2本欠損) まず、1〜2本程度の歯を失った場合の小さな部分入れ歯です。比較的違和感が少なく、慣れやすい特徴があります。
中間欠損用(3〜5本欠損) 次に、連続して数本の歯を失った場合の中型の部分入れ歯です。
多数歯欠損用(6本以上欠損) さらに、多くの歯を失った場合の大型の部分入れ歯です。
2-4 部分入れ歯のメリットとデメリット
メリット
- 保険適用で経済的な負担が少ない
- 健康な歯を大きく削る必要がない
- 修理や調整が比較的容易
- 短期間で治療が完了する
デメリット
- クラスプ(バネ)が見えることがある
- 慣れるまで違和感を感じることがある
- 固い食べ物が噛みにくい場合がある
3. 総入れ歯の種類と特徴

3-1 総入れ歯とは
総入れ歯とは、上顎または下顎の全ての歯を失った場合に使用する入れ歯です。例えるなら、歯茎全体を覆う「マウスピースに歯がついたもの」というイメージです。
3-2 保険適用の総入れ歯の構造
上顎の総入れ歯 まず、上顎の総入れ歯は、口蓋(口の天井部分)全体を覆う形状になっています。この広い面積により、吸着力を得て安定します。
下顎の総入れ歯 一方、下顎の総入れ歯は、馬蹄形(U字型)の形状をしています。舌の動きを妨げないように設計されています。
3-3 総入れ歯の安定メカニズム
吸着による固定 まず、入れ歯と歯茎の間に薄い唾液の層ができ、これが吸盤のような役割を果たします。
筋肉による保持 また、頬や唇、舌の筋肉が入れ歯を適切な位置に保つのを助けます。
3-4 総入れ歯のメリットとデメリット
メリット
- 保険適用で経済的な負担が少ない
- 全ての歯の機能を回復できる
- 顔の輪郭や表情を整えられる
デメリット
- 慣れるまで時間がかかることが多い
- 食べ物の温度や味を感じにくくなる場合がある
- 初めは発音しにくいことがある
4. 入れ歯治療の流れ

4-1 初診と検査
第1ステップ:口腔内の検査 まず、口腔内の状態を詳しく検査します。残っている歯の状態、歯茎の健康状態、噛み合わせなどを確認します。
第2ステップ:レントゲン撮影 次に、顎の骨の状態を確認するため、レントゲン撮影を行います。
第3ステップ:治療計画の立案 その後、検査結果をもとに、最適な入れ歯の種類や治療計画を立てます。
4-2 入れ歯製作の流れ
①:型取り(概形印象) まず、大まかな型を取ります。この型をもとに、個人用のトレーを作製します。
②:精密な型取り(精密印象) 次に、個人用トレーを使って、より精密な型を取ります。
③:噛み合わせの記録 その後、上下の顎の位置関係や噛み合わせの高さを記録します。
④:試適(仮合わせ) 続いて、ロウで作られた試作品を口の中で確認します。この際、噛み合わせや見た目を調整します。
第5回:完成した入れ歯の装着 最後に、完成した入れ歯を装着し、最終的な調整を行います。
4-3 治療期間の目安
部分入れ歯の場合 一般的に、3〜5回の通院で約1〜2ヶ月程度かかります。
総入れ歯の場合 一方、5〜7回の通院で約2〜3ヶ月程度かかることが多いです。
5.入れ歯のメンテナンス

5-1 日常的なお手入れ方法
食後の清掃 まず、食後は必ず入れ歯を外して水洗いします。食べかすが残ると、口臭や細菌繁殖の原因になります。
就寝前の清掃 また、就寝前には入れ歯専用ブラシと洗浄剤を使って丁寧に清掃します。
保管方法 さらに、就寝時は入れ歯を外し、水または入れ歯洗浄液に浸けて保管します。乾燥すると変形の原因になります。
5-2 定期的な調整の重要性
調整が必要な理由 時間の経過とともに、顎の骨や歯茎の形が変化します。そのため、定期的に入れ歯を調整する必要があります。
推奨される調整頻度 一般的に、3〜6ヶ月に1回の定期検診と調整が推奨されます。また、違和感や痛みがある場合は、すぐに歯科医院を受診してください。
6. よくある質問とお答え

Q1: 入れ歯に慣れるまでどのくらいかかりますか?
A: 個人差がありますが、一般的には数週間から数ヶ月かかります。
慣れるまでの過程 まず、最初の1〜2週間は違和感が強いことが多いです。しかし、使い続けることで徐々に慣れていきます。
慣れを早めるコツ
- 鏡を見ながら発音練習をする
- できるだけ長時間装着する
- 柔らかい食べ物から始める
Q2: 入れ歯で食事はできますか?
A: はい、慣れれば多くの食べ物を楽しむことができます。
食事のコツ まず、最初は柔らかい食べ物から始めることをお勧めします。また、小さく切って、両側の歯で均等に噛むようにします。
注意が必要な食べ物
- 粘着性の高い食べ物(餅、キャラメルなど)
- 非常に硬い食べ物(硬いせんべいなど)
Q3: 入れ歯は何年くらい使えますか?
A: 適切なメンテナンスを行えば、5〜7年程度使用できることが一般的です。
使用期間に影響する要因 まず、日常のお手入れの状態が大きく影響します。また、定期的な調整を受けているかどうかも重要です。
Q4: 保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いは何ですか?
A: 主な違いは使用できる材料と設計の自由度です。
保険適用の入れ歯
- レジン(プラスチック)製の床
- 金属のクラスプ(バネ)
- 基本的な機能回復を重視
自費の入れ歯
- 金属床など多様な材料が選択可能
- バネのない入れ歯なども選択できる
ただし、保険適用の入れ歯でも、適切に製作・調整すれば十分に機能的です。
Q5: 入れ歯装着中に痛みがある場合はどうすればよいですか?
A: 痛みがある場合は、すぐに歯科医院を受診してください。
痛みの主な原因
- 入れ歯が歯茎に強く当たっている
- 噛み合わせが合っていない
- 入れ歯が合わなくなってきている
注意点 また、痛いからといって入れ歯の使用を中止すると、歯茎の形が変わってしまい、調整が難しくなることがあります。
7. まとめ:保険治療で快適な入れ歯生活
以上のように、入れ歯治療は保険適用で受けることができ、部分入れ歯から総入れ歯まで、様々な選択肢があります。重要なことは、適切な入れ歯を選択し、正しく使用・管理することです。
入れ歯治療のポイント
まず、早期の治療開始 歯を失ったら、できるだけ早く入れ歯治療を開始することが推奨されます。放置すると、残っている歯に負担がかかったり、顎の骨が痩せてしまったりします。
次に、適切なメンテナンス また、日常的なお手入れと定期的な調整により、入れ歯を長持ちさせることができます。
そして、継続的な歯科受診 さらに、定期的に歯科医院を受診し、口腔内の健康状態をチェックすることが大切です。
保険制度の活用
経済的な安心感 まず、保険適用により経済的な負担を抑えて入れ歯治療を受けることができます。
質の高い治療 また、保険適用の入れ歯でも、適切に製作・調整すれば十分に機能的で快適な使用が可能です。
継続的なサポート さらに、調整や修理も保険適用で受けることができるため、長期的なサポートが可能です。
入れ歯は、失った歯の機能を回復し、QOL(生活の質)を維持するための重要な治療法です。また、現代の入れ歯は以前に比べて格段に進歩しており、適切に製作・調整すれば快適に使用できます。
最も大切なことは、一人で悩まず、まずは歯科医院で相談することです。松戸市テラスモール松戸プランス歯科では、患者様お一人おひとりの状況に応じた保険適用の入れ歯治療を提供しております。
ぜひ、保険制度を活用して、快適な入れ歯生活を実現しましょう。皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。
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