乳歯の保険治療

「子どもの歯が虫歯になってしまった」「乳歯の治療は高額なのでは?」「どうせ生え変わるのに治療する必要があるの?」このような疑問や不安を抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。

実は、お子様の乳歯の虫歯治療や予防処置のほとんどは保険適用で受けることができます。しかも、乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びや発育に悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の治療が重要です。

また、お子様向けの予防処置として、フッ素塗布やシーラント(奥歯の溝を埋める処置)も保険適用で受けられることをご存知でしょうか。これらの予防処置により、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

そこで今回は、松戸市テラスモール松戸プランス歯科での小児歯科診療の経験をもとに、乳歯の保険治療について、虫歯治療から予防処置まで、分かりやすく解説いたします。

目次

  1. 乳歯の保険治療とは?
  2. 乳歯の虫歯を放置する危険性
  3. 保険適用の虫歯治療
  4. 保険適用の予防処置
  5. よくある質問とお答え
  6. まとめ:保険治療で快適な入れ歯生活

乳歯の保険治療とは?

1-1. 小児歯科における保険制度

まず、小児歯科における保険制度について基本的なことをお伝えします。日本では、お子様の歯科治療のほとんどが健康保険の適用範囲内で受けることができます。つまり、保護者の方の経済的負担は大幅に軽減されます。

1-2. 保険適用の範囲

具体的に、保険適用で受けられるお子様の歯科治療には以下があります:

これらの治療により、お子様の歯の健康を守ることができます。

1-3. 乳歯治療の重要性

「どうせ生え変わるから」と考える方もいらっしゃいますが、実は乳歯の健康は永久歯に大きな影響を与えます。そのため、乳歯の虫歯も適切に治療することが重要なのです。

2. 乳歯の虫歯を放置する危険性

2-1 永久歯への影響

歯並びへの悪影響 まず、乳歯を早期に失うと、隣の歯が倒れてきて永久歯の生えるスペースがなくなることがあります。その結果、永久歯が正しい位置に生えることができず、歯並びが悪くなる可能性があります。

永久歯の質への影響 また、乳歯の根の先に膿がたまると、その下で育っている永久歯の発育に悪影響を及ぼすことがあります。

2-2 発育への影響

咀嚼機能の低下 虫歯により痛みがあると、お子様はその歯を避けて噛むようになります。その結果、顎の発育が偏り、顔の形や歯並びに影響することがあります。

栄養摂取への影響 さらに、しっかり噛めないことで、栄養の吸収が悪くなり、成長に影響を及ぼす可能性があります。

2-3 心理的な影響

痛みによる不快感 虫歯の痛みは、お子様の日常生活や睡眠に悪影響を与えます。

歯科恐怖症の原因 また、痛みが強くなってから歯科医院を受診すると、治療が大掛かりになり、歯科医院に対する恐怖心を抱くきっかけになることもあります。

3. 保険適用の虫歯治療

3-1 乳歯の虫歯治療の種類

乳歯の虫歯治療は、虫歯の進行度に応じて以下のような方法があります:

コンポジットレジン充填(白い詰め物) まず、小さな虫歯に対しては、歯の色に近い白い詰め物で治療します。この治療は1回で完了することが多く、見た目も自然です。

乳歯冠(銀歯の被せ物) 次に、虫歯が大きい場合は、乳歯用の銀色の被せ物で歯全体を覆います。耐久性に優れ、永久歯に生え変わるまでしっかりと機能を保ちます。

根管治療(神経の治療) さらに、虫歯が神経まで達した場合は、神経を取り除く治療が必要になります。その後、被せ物で修復します。

3-2 治療の流れ

:診察と検査 まず、お子様の口腔内を詳しく診察し、必要に応じてレントゲン撮影を行います。

②:治療計画の説明 次に、保護者の方に治療内容や期間について詳しく説明します。

③:治療の実施 その後、お子様の協力が得られる範囲で、段階的に治療を進めます。

3-3 お子様への配慮

痛みの少ない治療 まず、表面麻酔や細い注射針を使用することで、痛みを最小限に抑えます。

やさしい雰囲気づくり また、お子様がリラックスできるよう、優しく声をかけながら治療を進めます。

段階的なアプローチ さらに、初回は器具に慣れてもらうことから始めるなど、お子様のペースに合わせた治療を心がけます。

4. 保険適用の予防処置

4-1 フッ素塗布

フッ素塗布の効果 まず、フッ素には歯の表面を強化し、虫歯菌の活動を抑える効果があります。定期的に塗布することで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

適用年齢と頻度 歯が生え始めた頃から適用可能で、一般的に3〜6ヶ月に1回の頻度で塗布することが推奨されます。

塗布の流れ

  1. 約30分間は飲食を控える
  2. 歯の表面をきれいに清掃
  3. 専用のトレーやブラシでフッ素を塗布

4-2 シーラント(小窩裂溝填塞)

シーラントとは シーラントとは、奥歯の溝を歯科用のプラスチックで埋める予防処置です。例えるなら、道路のひび割れを補修材で埋めるような処置といえるでしょう。

シーラントの効果 奥歯の溝は深く複雑で、歯ブラシが届きにくいため虫歯になりやすい部位です。しかし、シーラントで溝を埋めることで、食べかすや細菌が入り込むのを防ぐことができます。

適用時期

シーラントの流れ

  1. 最後に、特殊な光で硬化させる
  2. まず、歯の表面を清掃
  3. 次に、歯の表面を薬液で処理
  4. その後、シーラント材を溝に流し込む

4-3 口腔衛生指導

ブラッシング指導 まず、お子様の年齢や口腔内の状態に合わせた歯磨き方法を指導します。また、保護者の方には仕上げ磨きのコツもお伝えします。

食生活指導 さらに、虫歯になりにくい食生活や、おやつの与え方についてもアドバイスを行います。

定期検診の推奨頻度 お子様の場合、3〜4ヶ月に1回の定期検診が推奨されます。

※保険適用には一定の条件があります

6. よくある質問とお答え

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Q1: 乳歯の虫歯は治療しなくても大丈夫ですか?

いいえ、乳歯の虫歯も適切に治療する必要があります。

永久歯への影響 まず、乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びや質に悪影響を及ぼす可能性があります。

痛みや感染のリスク また、虫歯が進行すると痛みが出たり、顔が腫れたりすることもあります。

咀嚼機能への影響 さらに、しっかり噛めないことで、顎の発育や栄養摂取に影響することがあります。

Q2: 子どもが歯医者を怖がります。どうすればいいですか?

お子様の不安を和らげる方法がいくつかあります。

事前の準備 まず、歯科医院に行く前に、絵本やアニメで歯医者さんについて楽しく学ぶことをお勧めします。

ポジティブな言葉がけ また、「痛くないよ」ではなく、「一緒にお口を見てもらおうね」など、ポジティブな言葉を使います。

段階的なアプローチ さらに、最初は診療室の雰囲気に慣れることから始め、無理に治療を進めることはありません。

Q3: フッ素塗布は何歳から始められますか?

A: 歯が生え始めた頃から始めることができます。

適用開始時期 まず、一般的には生後6ヶ月頃、最初の歯が生えてきた時期から適用可能です。

塗布の頻度 また、3〜6ヶ月に1回の頻度で定期的に塗布することが推奨されます。

安全性 さらに、歯科医院で行うフッ素塗布は、適切な濃度で使用されるため安全です。

Q4: 仕上げ磨きはいつまで必要ですか?

A: 一般的に、小学校低学年頃まで必要とされています。

推奨される期間 まず、お子様が一人で十分に磨けるようになるまで、保護者の方による仕上げ磨きが必要です。一般的には、7〜8歳頃までが目安とされています。

仕上げ磨きのポイント

7. まとめ:保険治療で子どもの歯を守る

以上のように、お子様の乳歯の治療や予防処置は、ほとんど保険適用で受けることができます。重要なことは、早期発見・早期治療を心がけることです。

乳歯の保険治療のポイント

まず、定期検診の継続 3〜4ヶ月に1回の定期検診により、虫歯を早期に発見し、簡単な治療で済ませることができます。

次に、予防処置の活用 また、フッ素塗布やシーラントなどの予防処置を積極的に活用することで、虫歯のリスクを大幅に減らせます。

そして、家庭でのケア さらに、毎日の歯磨きと仕上げ磨き、規則正しい食生活が、お子様の歯の健康を守る基本です。

保護者の方へのメッセージ

経済的な安心 まず、保険適用により経済的な負担を抑えて治療を受けることができます。

お子様の将来のために また、乳歯の健康は、永久歯の健康、ひいてはお子様の全身の健康にも影響します。

専門家のサポート さらに、分からないことや不安なことがあれば、いつでも歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。

お子様の歯の健康は、将来の健康な生活の基礎となります。また、現代の小児歯科治療は、お子様の負担を最小限にする工夫がたくさんなされています。

最も大切なことは、虫歯ができる前から定期的に歯科医院を受診し、お子様に「歯医者さんは怖くない場所」と認識してもらうことです。松戸市テラスモール松戸プランス歯科では、お子様一人ひとりのペースに合わせた保険適用の治療を提供しております。

ぜひ、保険制度を活用して、お子様の大切な歯を一緒に守っていきましょう。皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。

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