「食事中に突然詰め物が取れた」「取れた詰め物をどうすればいいかわからない」「今日は休診日で歯医者に行けない」このような緊急事態に、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、歯の詰め物が取れることは珍しくありません。しかし、適切な応急処置と対応を知らないと、さらなるトラブルにつながる可能性があります。
そこで重要なのは、落ち着いて正しい対処をすることです。また、受診までの間、注意すべきポイントを守ることで、歯へのダメージを最小限に抑えられます。
そこで今回は、松戸市テラスモール松戸プランス歯科での診療経験をもとに、詰め物が取れた時の応急処置から受診までの注意点、予防法まで分かりやすく解説いたします。
目次
- 詰め物が取れる原因
- 詰め物が取れた時の応急処置
- 受診までの注意点とやってはいけないこと
- 受診のタイミングと治療の流れ
- 詰め物を長持ちさせる予防法
- よくある質問
- まとめ
1.詰め物が取れる原因

1-1. 経年劣化
まず、最も多い原因は経年劣化です。詰め物の寿命は、一般的に5〜10年程度とされています。ただし、材質や口腔環境により異なります。
長年使用すると、詰め物と歯の間に隙間ができます。その結果、接着力が弱まり取れやすくなります。
1-2. 虫歯の再発
次に、詰め物の下で虫歯が再発することがあります。これを「二次カリエス」と呼びます。
なぜなら、詰め物の縁から細菌が侵入することがあるからです。その結果、内部で虫歯が進行します。そして、歯が溶けることで詰め物が取れやすくなります。
1-3.接着剤の劣化
また、詰め物を固定している接着剤(セメント)が劣化することもあります。特に、以下の要因で劣化が進みます:
酸性の飲食物 炭酸飲料や酸っぱいものを頻繁に摂取すると、セメントが溶けやすくなります。
温度変化 熱いものと冷たいものを交互に摂ると、膨張と収縮を繰り返します。その結果、接着力が弱まります。
1-4.強い力がかかった
さらに、以下のような場合に取れやすくなります:
硬いものを噛んだ 例えば、氷やナッツの殻、硬いキャンディーなどを噛むと、詰め物に過度な力がかかります。
歯ぎしり・食いしばり 就寝中の歯ぎしりや、日中の食いしばりも原因です。なぜなら、持続的に強い力がかかるからです。
外傷 また、転倒や事故で歯に衝撃を受けた場合も取れることがあります。
2. 詰め物が取れた時の応急処置

2-1 取れた詰め物を保管する
まず、取れた詰め物は捨てずに保管してください。なぜなら、状態によっては再利用できる可能性があるからです。
保管方法
- まず、水で軽く洗います
- 次に、清潔な小さな容器に入れます
- そして、受診時に持参します
ただし、無理に戻そうとしないでください。かえって飲み込んだり、歯を傷つけたりする危険があります。
2-2 口をすすぐ
次に、ぬるま湯で優しく口をすすぎます。これにより、口の中を清潔に保ちます。
ただし、強くうがいをすると痛みが出ることがあります。そのため、優しくすすぐことが推奨されます。
2-3 痛みがある場合
また、痛みを感じる場合は以下の対処をします:
市販の痛み止めを服用 まず、市販の鎮痛剤を使用できます。ただし、用法用量を守ってください。
冷やす 次に、頬の外側から冷やします。ただし、直接氷を当てるのではなく、タオルで包んでください。
刺激を避ける そして、熱いもの、冷たいもの、甘いものは避けます。なぜなら、これらは痛みを増す可能性があるからです。
2-4 穴を清潔に保つ
さらに、詰め物が取れた穴を清潔に保ちます。
優しく歯磨き まず、その部分を優しく歯磨きします。ただし、強くこすらないように注意してください。
食べかすを取り除く また、食後は必ずうがいをします。これにより、食べかすが詰まるのを防ぎます。
3. 受診までの注意点とやってはいけないこと

3-1 食事の工夫
まず、受診までの食事には注意が必要です。以下のポイントを守りましょう:
反対側で噛む 詰め物が取れた側では噛まないようにします。なぜなら、歯が欠けたり、痛みが出たりする可能性があるからです。
柔らかいものを選ぶ また、できるだけ柔らかい食事を選びます。例えば、おかゆ、豆腐、煮込んだ野菜などです。
避けるべき食品 一方、以下のような食品は避けてください:
- 非常に熱いもの、冷たいもの
- 硬いもの(せんべい、ナッツなど)
- 粘着性のあるもの(キャラメル、ガムなど)
3-2 温度と清潔に注意
次に、飲食物の温度にも気をつけます。極端な温度を避け、ぬるめの温度が安全です。
また、食後は必ずうがいをします。これにより、穴に食べかすが詰まるのを防ぎます。
3-3 やってはいけないこと
重要なことに、以下の行動は絶対に避けてください:
自分で戻さない まず、絶対に自分で詰め物を戻そうとしないでください。飲み込む危険や、誤って気管に入る可能性があります。
接着剤を使わない 次に、市販の接着剤を使用してはいけません。なぜなら、有害な成分が体内に入る危険があるからです。
放置しない また、「痛くないから大丈夫」と放置するのも危険です。実は、痛みがなくても虫歯が進行します。
強く噛まない さらに、問題の歯で硬いものを噛まないでください。歯が欠けたり割れたりする危険があります。
3-4.早めの受診を心がける
そして、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
理想的なタイミング 一般的に、詰め物が取れてから2〜3日以内の受診が推奨されます。なぜなら、時間が経つと以下のリスクがあるからです:
- 虫歯が進行する
- 歯が欠ける
- 隣の歯が動く
- 噛み合わせが変わる
4.受診のタイミングと治療の流れ

4-1 緊急受診が必要な場合
まず、以下のような症状がある場合は、緊急で受診してください:
激しい痛み 痛み止めが効かないほどの痛みがある場合です。
大きく欠けた 詰め物だけでなく、歯も大きく欠けた場合です。
出血が止まらない 歯茎から出血が続く場合です。
腫れがある 頬や歯茎が腫れている場合です。これは感染の可能性があります。
4-2 通常の受診タイミング
次に、緊急性がない場合でも、以下のタイミングで受診します:
できるだけ早く(2〜3日以内) 一般的に、詰め物が取れたら数日以内の受診が推奨されます。
週末や連休の前 また、長期休暇前に詰め物が取れた場合は、休み前に受診できるか確認してください。以上の薬にドライマウスの副作用があるといわれています。
4-3 治療の流れ
それでは、受診後の治療の流れを説明します:
第1ステップ:診察と検査 まず、歯科医師が口の中を診察します。必要に応じて、レントゲン撮影を行います。
第2ステップ:清掃 次に、穴の中を清掃します。虫歯があれば、その部分を取り除きます。
第3ステップ:詰め直し そして、新しい詰め物を入れます。材質は、元の詰め物と同じものか、より適したものを選択します。
所要時間 一般的に、30分〜1時間程度で完了することが多いです。ただし、虫歯の程度により異なります。
4-4 治療後の注意
最後に、治療後の注意点です:
食事のタイミング まず、麻酔が効いている間は食事を控えます。一般的に、2〜3時間後から可能です。
硬いものを避ける また、治療当日は硬いものを避けることが推奨されます。
違和感がある場合 そして、噛み合わせに違和感がある場合は、遠慮なく申告してください。調整が可能です。
5.詰め物を長持ちさせる予防法

5-1 定期的な歯科検診
まず、3〜6ヶ月に1回の定期検診を受けます。
検診の重要性 なぜなら、詰め物の状態を専門家がチェックできるからです。その結果、問題を早期に発見できます。
5-2 正しい歯磨き
次に、毎日の歯磨きを丁寧に行います。
ポイント
- そして、詰め物の縁も丁寧に磨きます
- まず、1日2回以上磨きます
- 次に、歯と歯の間もフロスで清掃します
5-3 硬いものに注意
また、硬いものを噛む習慣を避けます。
避けるべきもの
- 骨付き肉の骨
- 氷
- 硬いキャンディー
- ナッツの殻
5-4 歯ぎしり対策
さらに、歯ぎしりがある方はマウスピースの使用を検討します。
効果 これにより、就寝中の過度な力から詰め物を守ります。
5-5 食生活の工夫
そして、以下のような食習慣を心がけます:
酸性飲料を控える 炭酸飲料や柑橘系ジュースは、詰め物の接着力を弱めます。
バランスの良い食事 また、カルシウムやビタミンDを含む食品を摂ります。これにより、歯を強く保ちます。
6. よくある質問

Q1: 詰め物が取れたまま何日くらい大丈夫ですか?
A: できるだけ早い受診が推奨されます。
理想的なタイミング まず、2〜3日以内の受診が望ましいです。なぜなら、それ以上放置すると以下のリスクがあるからです:
- 虫歯が進行する
- 歯が欠ける
- 隣の歯が動く
1週間を超える場合 また、1週間以上放置すると、治療が複雑になる可能性があります。そのため、早めの受診を心がけてください。
Q2: 取れた詰め物は使えますか?
A: 状態によって異なります。
再利用できる場合 まず、詰め物が変形していない、割れていない場合は、再利用できることがあります。ただし、歯科医師の判断によります。
再利用できない場合 一方、変形や破損がある場合、虫歯が進行している場合は、新しい詰め物が必要です。
いずれにしても そのため、取れた詰め物は必ず持参してください。
Q3: 痛みがなければ急がなくても大丈夫ですか?
A: いいえ、痛みがなくても早めの受診が必要です。
痛みがない理由 実は、痛みがないのは以下の理由です:
- まだ神経まで達していない
- すでに神経が死んでいる
どちらの場合も しかし、どちらの場合も治療は必要です。なぜなら、放置すると確実に悪化するからです。
Q4: 応急処置として市販の詰め物キットは使えますか?
A: 緊急時の一時的な対応として使用できる場合もあります。
使用できる状況 まず、以下のような場合です:
- 連休中で歯科医院に行けない
- 旅行中で帰宅まで時間がかかる
- 痛みが強く、すぐに受診できない
注意点 ただし、以下の点に注意してください:
- あくまで一時的な処置
- 必ず後日、歯科医院を受診する
- 説明書をよく読んで正しく使用する
推奨 そのため、可能な限り早く専門医の治療を受けることが推奨されます。
7. まとめ
歯の詰め物が取れることは、誰にでも起こりうるトラブルです。しかし、正しい知識と適切な対処により、歯へのダメージを最小限に抑えられます。
重要なポイント
応急処置 まず、取れた詰め物は保管します。そして、口を清潔に保ちます。また、痛みがあれば市販の鎮痛剤で対処します。
受診までの注意 次に、反対側で噛みます。柔らかい食事を選びます。そして、極端な温度を避けます。
やってはいけないこと さらに、自分で戻さない、接着剤を使わない、放置しないことが重要です。
早めの受診 そして、できるだけ早く歯科医院を受診してください。理想的には、2〜3日以内です。
予防の重要性
定期検診 まず、3〜6ヶ月に1回の定期検診を受けます。これにより、問題を早期発見できます。
日常のケア また、毎日丁寧に歯磨きをします。硬いものを避けます。そして、歯ぎしりがあればマウスピースを検討します。
詰め物が取れた時は、慌てず落ち着いて対処することが大切です。そして、適切な応急処置と早めの受診により、歯を守ることができます。
松戸市テラスモール松戸プランス歯科では、詰め物が取れた場合の緊急対応も行っています。年中無休で診療していますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください。
適切な治療で、大切な歯を守りましょう。皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。
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