「スポーツ中に歯が折れてしまった」「口をぶつけて前歯が欠けてしまった」スポーツを楽しんでいる中で、このような歯のトラブルは決して珍しいことではありません。
実は、スポーツ中の歯・口の外傷は、全外傷の約5〜10%を占めると言われています。特に、格闘技、球技、コンタクトスポーツなどでは、歯が折れる、抜ける、唇や舌が切れるなどのトラブルが起こりやすいです。しかしながら、適切なマウスガード(マウスピース)を使用することで、歯への衝撃を約60〜70%軽減できるとも言われており、多くの歯のトラブルを予防することが可能です。また、マウスガードは歯の保護だけでなく、脳震盪の予防や競技パフォーマンスの向上にも効果があるとされています。
そこでこの記事では、スポーツ時の歯の外傷リスク、マウスガードの種類と特徴、正しい選び方、そして松戸市の患者様からよくいただくご質問について、歯科医療の専門的な観点から詳しく解説します。大切な歯を守りながらスポーツを楽しむために、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
- スポーツ中の歯の外傷リスク
- マウスガードとは?基礎知識
- マウスガードの種類と特徴
- マウスガードの効果
- よくある質問(Q&A)
- マウスガードのケアと注意点
- まとめ
1. スポーツ中の歯の外傷リスク

スポーツによる歯の外傷の実態
まず第一に、スポーツ中の歯の外傷がどのくらい起きているのかを知りましょう。
スポーツ外傷の実態
- スポーツ中の口腔外傷は全外傷の約5〜10%
- 歯の外傷の約1/3がスポーツに関連していると言われています
- 特に7〜14歳の子供に多く見られます
- 成人でも接触スポーツや球技でのリスクは高い
例えるなら、ヘルメットなしでバイクに乗るのと同じように、マウスガードなしでコンタクトスポーツをするのは、歯を無防備な状態に置いていることになります。
その結果、せっかくの楽しいスポーツが、歯を失うきっかけになってしまうケースも少なくないのです。
実際、松戸市のテラスモール松戸プランス歯科でも、「サッカーの練習で顔をぶつけて歯が欠けた」「ラグビーで相手選手と衝突して前歯が折れた」というご相談を多くいただいています。
外傷が起こりやすいスポーツ
次に、特に歯の外傷リスクが高いスポーツをご紹介します。
リスクが高いスポーツ(接触・衝突系)
- ラグビー、アメリカンフットボール
- 格闘技(空手、柔道、ボクシング、レスリング)
- アイスホッケー、フィールドホッケー
- ラクロス
リスクがあるスポーツ(球技系)
- 野球・ソフトボール(特にバッターやキャッチャー)
- バスケットボール
- サッカー
- バレーボール
その他リスクがあるスポーツ
- 体操、トランポリン
- スキー・スノーボード
- 自転車競技
- 水球
その結果、幅広いスポーツで歯の外傷リスクが存在することが分かります。
スポーツで起こりやすい歯の外傷
さらに、スポーツ中に起こりやすい歯の外傷の種類をご紹介します。
主な歯の外傷の種類
歯が欠ける(破折)
ボールや相手選手、地面との衝突により、歯が欠けてしまうケースです。
歯が折れる(破折・破損)
強い衝撃で歯が根元から折れてしまうことがあります。
歯が抜ける(脱落)
強い衝撃で歯が根ごと抜けてしまう最も深刻なケースです。
歯がずれる(脱臼・転位)
衝撃で歯が本来の位置からずれてしまいます。
唇・舌・頬の外傷
歯で口の内側を切ったり、外部からの衝撃で唇が切れたりします。
したがって、これらの外傷を予防するために、マウスガードの着用が強く推奨されます。
2. マウスガードとは?基礎知識

マウスガードの定義と目的
まず、マウスガードとは、スポーツ中に歯・顎・口腔内の軟組織(唇・舌・頬)を保護するために装着する装置のことです。
スポーツマウスガード、マウスピースとも呼ばれます。
マウスガードの主な目的
- 歯の破折・脱落の予防
- 唇・舌・頬の切り傷の予防
- 顎関節への衝撃緩和
- 脳震盪リスクの軽減
- 下顎骨骨折の予防
その結果、マウスガードは歯だけでなく、頭部全体への衝撃を和らげる効果があると言われています。
マウスガードが推奨されるスポーツ
次に、どのようなスポーツでマウスガードが推奨・義務化されているかを確認しましょう。
着用が義務化・公式推奨されているスポーツ
- ラグビー(日本ラグビー協会が推奨)
- ボクシング(義務化)
- アイスホッケー(特にジュニア年代)
- アメリカンフットボール
着用を強く推奨するスポーツ
- 格闘技全般(空手、柔道、レスリングなど)
- バスケットボール
- サッカー
- 野球・ソフトボール
したがって、競技の規則に関わらず、接触・衝突のリスクがあるスポーツ全般で着用が推奨されます。
マウスガードの基本構造
さらに、マウスガードの基本的な構造を理解しましょう。
マウスガードの特徴
- 弾力性のある素材(EVA樹脂など)で作られている
- 上顎の歯に装着するのが一般的
- 衝撃を吸収・分散させる構造
- 厚みは3〜5mm程度(部位により異なる)
例えるなら、マウスガードは「歯のエアバッグ」のようなものです。衝撃が加わった時に、力を吸収・分散して歯や顎を守ります。
3. マウスガードの種類と特徴

市販品(既製品タイプ)
まず、最も手軽に入手できるのが、スポーツ用品店や薬局で販売されている市販の既製品です。
市販品の特徴
メリット
- すぐに入手できる
- 比較的安価
- 手軽に始められる
デメリット
- フィット感が低い(外れやすい)
- 呼吸・発話がしにくい
- サイズが合わない場合がある
- 保護効果が歯科医院製に比べて低い可能性がある
したがって、「まず試してみたい」という方や、たまにしかスポーツをしない方には向いていますが、本格的なスポーツを行う方には不向きな場合があります。
ボイル&バイト(お湯で成形するタイプ)
次に、お湯で柔らかくして自分の歯に合わせて成形するタイプです。
ボイル&バイトの特徴
メリット
- 市販品よりもフィット感が高い
- 比較的安価
- スポーツ用品店で購入できる
デメリット
- 自分で成形するため、精度に限界がある
- 厚みが不均一になりやすい
- 耐久性がやや劣る
- 保護効果が歯科医院製より低い可能性がある
成形の手順
ステップ1:お湯を用意する
75〜80度のお湯を用意します。
ステップ2:マウスガードを浸ける
マウスガードをお湯に20〜30秒浸けて柔らかくします。
ステップ3:歯に当てて噛む
柔らかくなったマウスガードを口に入れ、しっかり噛んで形を作ります。
ステップ4:冷水で固める
形が整ったら、冷水で固めます。
その結果、ある程度自分の歯形に合ったマウスガードができあがります。
オーダーメイド(歯科医院製)
さらに、最も保護効果が高いのが、歯科医院でオーダーメイドで作製するタイプです。
オーダーメイドの特徴
メリット
- 患者様の歯型に完全にフィット
- 衝撃吸収効果が最も高い
- 呼吸・発話がしやすい
- 耐久性が高い
- スポーツの種類や個人の状況に合わせて作れる
- 歯科医師が適切な厚みや素材を選択できる
デメリット
- 費用がかかる(自費診療)
- 作製に時間がかかる(通常1〜2週間)
- 成長期の子供は作り直しが必要
したがって、本格的なスポーツや頻繁にスポーツをする方、特にコンタクトスポーツをする方には、オーダーメイドが強く推奨されます。
各タイプの比較
また、3つのタイプを比較すると以下のようになります。
| 比較項目 | 市販品 | ボイル&バイト | オーダーメイド |
|---|---|---|---|
| フィット感 | 低い | 中程度 | 高い |
| 保護効果 | 低い | 中程度 | 高い |
| 費用 | 安い | 中程度 | 高い |
| 入手のしやすさ | 簡単 | 簡単 | 歯科医院必要 |
| 耐久性 | 低い | 中程度 | 高い |
その結果、予算や競技レベルに応じて選択することが推奨されます。
実際、松戸市のテラスモール松戸プランス歯科でも、競技レベルや競技の種類に合わせたオーダーメイドのマウスガード作製を承っています。
4. マウスガードの効果

歯・口腔への保護効果
まず、マウスガードの最も基本的な効果は、歯と口腔内の保護です。
保護効果のデータ
- マウスガード着用により、歯の外傷リスクが約60〜70%軽減されると言われています
- 口腔内の軟組織(唇・頬・舌)の切り傷も大幅に予防できます
- 歯が直接ぶつかり合うことを防ぎます
その結果、マウスガードは最もコストパフォーマンスの高い歯の保護手段と言えます。
脳震盪予防効果
次に、マウスガードは歯の保護だけでなく、脳震盪の予防にも効果があるとされています。
脳震盪予防のメカニズム
- 顎への衝撃を吸収・分散する
- 下顎から脳への衝撃の伝達を和らげる
- 頭部全体への力を分散させる
脳震盪予防の重要性
- 脳震盪は繰り返すと脳へのダメージが蓄積する
- 特に成長期の子供への影響が懸念される
- マウスガード着用で脳震盪リスクが軽減されると報告されている
したがって、マウスガードは「歯を守る道具」という域を超えた、重要なスポーツ安全装具です。
顎関節の保護
さらに、マウスガードは顎関節への衝撃も和らげます。
顎関節保護の効果
- 下顎への直接衝撃を吸収する
- 顎関節症の予防につながる
- 顎骨骨折のリスクを下げる
その結果、マウスガードを着用することで、顎全体への長期的なダメージを防ぐことができます。
パフォーマンスへの影響
また、オーダーメイドのマウスガードは、競技パフォーマンスにも影響するという報告があります。
パフォーマンスへの効果(研究報告)
- 噛み合わせを最適化することで、体幹の安定性が向上する可能性
- 集中力の向上
- 呼吸のしやすさが保たれる
ただし、これらの効果については個人差があり、研究途上の部分もあります。したがって、パフォーマンス向上を主目的としたマウスガードは、スポーツ歯科の専門家に相談することが推奨されます。
5. よくある質問(Q&A)

Q1. 子供にもマウスガードは必要ですか?
A. はい、特に子供こそマウスガードが重要です。
子供にマウスガードが重要な理由
- 乳歯や生えたばかりの永久歯は外傷に弱い
- 外傷が永久歯の発育に影響する可能性がある
- 体が大きく活発に動くため、衝突リスクが高い
- 脳震盪リスクの軽減が特に重要
子供のマウスガードの注意点
- 成長に伴い作り直しが必要(半年〜1年ごとが目安)
- フィット感を定期的に確認する
- 強制せず、着用の習慣を自然に身につけさせる
したがって、スポーツをする子供には、早い段階からマウスガードの着用習慣をつけることが推奨されます。
Q2. マウスガードをつけると呼吸や話しづらくなりますか?
A. 市販品では感じやすいですが、オーダーメイドでは大幅に改善されます。
市販品の場合
- フィット感が低く、外れないよう噛み続ける必要がある
- 顎が疲れやすい
- 発話・呼吸がしにくい
オーダーメイドの場合
- 完全にフィットしているため、外れにくい
- 必要最小限の厚みで作製できる
- 呼吸・発話への影響が少ない
- 慣れれば着用感がほとんどなくなる
したがって、「マウスガードが苦手」という方は、オーダーメイドを試してみることが推奨されます。
Q3. 矯正治療中でもマウスガードは使えますか?
A. はい、使用できますが、注意が必要です。
矯正中のマウスガードの注意点
- ワイヤー矯正中は、特殊なマウスガードが必要な場合がある
- マウスピース矯正(インビザラインなど)中は、矯正装置との兼用が難しい
- 矯正の進行に合わせて作り直しが必要
推奨される対処法
- 矯正担当の歯科医師に相談する
- スポーツ用に別途マウスガードを作製する
松戸市のテラスモール松戸プランス歯科でも、矯正治療中の患者様のマウスガード相談に対応しています。
Q4. マウスガードはどのくらいの頻度で作り替えが必要ですか?
A. 一般的に、以下の頻度での作り替えが推奨されます。
作り替えの目安
- 成人:1〜2年ごと(劣化・変形した場合は早めに)
- 成長期の子供:6ヶ月〜1年ごと(歯並びや顎の成長に合わせて)
- 矯正治療中:歯の動きに合わせて随時
作り替えのサイン
- フィット感が悪くなった
- 穴が開いたり破れたりした
- 変色・変形が著しい
- 噛み合わせが変わった
したがって、定期的に歯科医院でチェックすることが推奨されます。
Q5. マウスガードの費用はどのくらいですか?
A. タイプによって大きく異なります。
費用の目安
- 市販品:数百円〜数千円
- ボイル&バイト:1,000〜5,000円程度
- オーダーメイド(歯科医院製):歯科医院によって異なります
オーダーメイドは自費診療となりますが、歯の外傷治療にかかる費用(数十万円になることも)と比較すれば、長期的に見て非常にコストパフォーマンスが良い投資と言えます。
詳しくは、松戸市のテラスモール松戸プランス歯科にお問い合わせください。
Q6. マウスガードをつけていれば絶対に安全ですか?
A. リスクを大幅に下げることができますが、完全な保護を保証するものではありません。
マウスガードの限界
- 非常に強い衝撃には耐えられない場合がある
- 正しくフィットしていないと効果が低下する
- 他の安全装具(ヘルメット、フェイスガードなど)との併用が推奨される
したがって、マウスガードは「歯の保護を大幅に向上させる装具」であり、他の安全対策と組み合わせることが重要です。
6. マウスガードのケアと注意点
日常のケア方法
まず、マウスガードを清潔に保つための日常的なケア方法をご紹介します。
使用後のケア
ステップ1:流水で洗浄する
使用後すぐに流水で丁寧に洗い流します。
ステップ2:歯ブラシで磨く
柔らかい歯ブラシを使って、表面をやさしく磨きます。歯磨き粉は使わないでください(研磨剤でマウスガードが傷つくため)。
ステップ3:水気を取って乾燥させる
清潔なタオルで水気を取り、通気性の良い場所で乾燥させます。
ステップ4:専用ケースに保管する
乾燥したら、専用のケースに保管します。
定期的なケア
- 週に1〜2回、専用の洗浄剤や中性洗剤で洗う
- 変色・変形・臭いが気になったら新しいものに交換する
その結果、マウスガードを清潔かつ長持ちさせることができます。
やってはいけないこと
次に、マウスガードのケアでやってはいけないことをご紹介します。
NG行動リスト
- 熱湯で洗う(変形の原因)
- 直射日光の当たる場所に放置する(変形・劣化の原因)
- 歯磨き粉で磨く(研磨剤でマウスガードが傷つく)
- 消毒用アルコールで拭く(素材が劣化する)
- 乾燥した状態でケースに入れずに保管する
したがって、適切なケアを続けることで、マウスガードを長持ちさせることができます。
着用時の注意点
さらに、マウスガードを着用する時の注意点もあります。
着用時の注意点
- 着用前に手を洗う
- 水で濡らしてから装着すると着けやすい
- フィット感がおかしい場合は無理に着用しない
- 定期的に歯科医院でフィット感を確認してもらう
また、着用感に慣れるためには、練習中から定期的に着用して慣れていくことが推奨されます。
子供の場合の注意点
加えて、子供がマウスガードを使用する場合の特別な注意点があります。
子供への注意点
- 着用・取り外しを自分でできるよう練習させる
- 紛失防止のため、名前を記入する
- 定期的に大きさとフィット感を確認する
- 変形・破損がないか保護者が確認する
その結果、安全にマウスガードを活用できます。
7. まとめ
ここまで見てきたように、スポーツ時のマウスガードは、歯の保護だけでなく、脳震盪予防や顎関節保護にも非常に重要な役割を果たしています。
この記事のポイント
- まず、スポーツ中の歯の外傷は全外傷の約5〜10%を占める身近なリスク
- 次に、マウスガードにより歯の外傷リスクを約60〜70%軽減できる
- そして、市販品・ボイル&バイト・オーダーメイドの3種類がある
- また、本格的なスポーツにはオーダーメイドが最も推奨される
- さらに、歯の保護だけでなく脳震盪予防効果もある
- 加えて、成長期の子供は特に定期的な作り替えが必要
- 最後に、適切なケアで清潔に長持ちさせることが重要
つまり、マウスガードは「歯のヘルメット」として、スポーツをするすべての人に必要な安全装具なのです。
スポーツ用マウスガードの作製をご希望の方、マウスガードについて詳しく知りたい方は、松戸市のテラスモール松戸プランス歯科までお気軽にご相談ください。年中無休で診療しておりますので、スポーツのシーズン前でも、試合が近い時でも、いつでもご来院いただけます。
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SNSにて歯科コラム公開中
監修者
2013年 医療法人社団さくら会クリニックグループ
2014年 医療法人社団さくら会 三郷中央歯科 医院長就任
2015年 医療法人社団さくら会 理事就任
長野県上田市染ヶ丘高等学校 普通科 卒業
昭和大学 歯学部 歯学科 入学
昭和大学 歯学部 歯学部 卒業
昭和大学 大学院 歯学研究科 入学
昭和大学 大学院 歯学研究科 中途退学
院長 北澤 王司
年中無休で診察しています。
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