赤ちゃんの乳歯が生え始めると、成長を感じてうれしくなる一方で、「歯並びが変じゃない?」「ハの字に開いてるけど大丈夫?」「受け口だけど問題ないのかな?」と、不安になる保護者の方も多いのではないでしょうか。
乳歯の生え方や歯並びには個人差が大きく、見た目だけで良し悪しを判断するのは難しいものです。特に小さなお子さまは、あごの成長や癖の影響で歯が一時的にズレて見えることもあります。
この記事では、乳歯の生える時期や歯並びの変化に関する正しい知識をわかりやすく解説します。お子さまの歯に少しでも不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 乳歯の基礎知識
- よくある歯並びの問題
- 乳歯の歯並びが悪くなる理由とは
- 歯科医院を受診するタイミング
- よくある質問
- まとめ
1. 乳歯の基礎知識
1-1. 乳歯はいつ、どの順番で生えるの?
乳歯は、一般的に生後6〜9か月ごろに下の前歯から生え始めます。その後、上の前歯、奥歯、犬歯といった順番でゆっくりと増えていき、最終的に上下合わせて20本の乳歯がそろいます。
【乳歯の生える基本的な順番】
- 下の前歯(中切歯):6〜9か月
- 上の前歯:8〜11か月
- 第一乳臼歯(奥歯):1歳半〜2歳
- 犬歯:1歳半〜2歳半
- 第二乳臼歯:2歳〜3歳
この順番はあくまで目安であり、前後することもあります。
1-2. 乳歯が生えそろう時期と個人差
すべての乳歯が生えそろうのは、2歳半〜3歳ごろが一般的です。ただし、早い子では2歳で生えそろい、遅い子では3歳半までかかることもあります。これは成長のスピードに個人差があるためで、多くの場合、特に問題はありません。
【こんなときは歯科医院で相談しましょう】
・1歳6か月で歯が1本も生えていない
・3歳6か月になっても乳歯が生えそろわない
・歯の色が極端に黄色い、黒い、形がいびつ
2. よくある歯並びの問題
お子さまの乳歯が生えそろってくると、歯並びに目が向くようになります。ここでは、よく見られる3つのケースをご紹介します。
2-1. 前歯がハの字
前歯が外側または内側に広がって「ハの字」に見える状態は、「叢生(そうせい)」と呼ばれる歯並びの乱れの一つの初期症状です。とても多くの親御さんが気にされますが、必ずしも心配な状態とは限りません。
【ハの字になる原因】
・顎の大きさに対して歯が大きい
・歯が生えるスペースが足りない
・指しゃぶりや舌で前歯を押す癖
・遺伝的な骨格の影響
叢生の傾向が見られる場合でも、永久歯に生え変わる過程で自然に改善されることも多いため、成長を見守ることが重要です。
2-2. 受け口(反対咬合)
「受け口」とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことを指し、専門的には「反対咬合(はんたいこうごう)」とも呼ばれます。乳歯の時期に見られる受け口は、一時的なもので自然に治ることもあります。たとえば、成長とともに上あごがしっかり発達すれば、噛み合わせが改善されるケースも少なくありません。
ただし、3歳を過ぎても改善されない場合や、発音や食べ方に影響が出ている場合は、歯科医師に相談することが推奨されます。特に受け口は、放置してしまうと将来的に骨格的な問題に発展することもあるため、早期の観察と対応が大切です。
【受け口の主な原因】
・下あごが前に成長しやすい骨格的な特徴(遺伝)
・指しゃぶりや舌の癖による噛み合わせの乱れ
・乳歯の早期喪失や永久歯の位置異常
受け口の状態や原因によっては、就学前のタイミングでの早期治療が効果的な場合もあります。とはいえ、すぐに矯正が必要とは限らないため、まずは専門医による診断を受けて、適切な経過観察や対応方針を確認しておくと安心です。
2-3. すきっ歯
乳歯の間にすき間がある「すきっ歯」は、実は正常な発育の一環です。永久歯は乳歯よりも約1.5倍大きいため、将来のためのスペースとしてすき間があるのが理想的とされます。
【すきっ歯が正常な理由】
・永久歯のためのスペース「発育空隙」
・顎の成長に伴って自然に狭まる
・乳歯特有の歯の形状や位置によるもの
永久歯への生え変わり後もすき間が残っている場合には、矯正の相談が必要になるケースもあります。
3. 乳歯の歯並びが悪くなる理由とは
歯並びが乱れる要因は、大きく「遺伝的要因」と「環境的要因」の2つに分けられます。
3-1. 遺伝的要因
顎の大きさや形、歯のサイズ、生える位置・角度などは遺伝の影響を受けます。たとえば、ご両親に受け口や出っ歯、歯の重なり(叢生)があると、お子さまにも同様の傾向が見られることがあります。
3-2. 環境的要因
歯並びに影響する癖や生活習慣には、気づかないうちに身についているものも多くあります。以下のような習慣は、成長期の顎や歯の位置に大きな影響を与えることがあります。
・指しゃぶり(3歳以降まで続くと前歯が傾きやすい)
・舌で歯を押す癖、舌を突き出す癖
・口呼吸(口が常に開いている状態)
・頬杖(顎の成長バランスに影響)
・噛む回数が少ない
これらの習慣は歯並びの乱れだけでなく、発音や顔つきにも関係してくることがあります。お子さまの癖に早く気づき、必要に応じて生活環境を整えることが、将来の歯並びを守る大切なポイントです。
4. 歯科医院を受診するタイミング
「これは成長の一環?それとも治療が必要?」と迷ったとき、次のような場合は一度、歯科医院で診察を受けてみましょう。
・歯の生え方に大きな左右差がある
・永久歯に生え変わってもハの字やすきっ歯が目立つ
・受け口が3歳以降も続く
・発音に影響が出ている
・食べ物を噛みにくそうにしている
・指しゃぶりや口呼吸などの癖が直らない
治療のタイミングはお子さまによって異なります。なお、定期的な歯科健診は、こうした兆候を早期に発見するためにも非常に重要です。
5. よくある質問(Q&A形式)
Q1:乳歯が茶色いのですが、大丈夫でしょうか?
A:乳歯の茶色い変色は、虫歯や着色、エナメル質形成不全などの原因が考えられます。まずは歯科医院を受診し、適切な対処を受けましょう。
Q2:定期検診はどのくらいの頻度で受ければ良いですか?
A:3〜6か月くらいに1度の定期検診が推奨されています。お口のトラブルの早期発見だけではなく、歯並びの経過観察や適切なケアを行うことができます。
6. まとめ
乳歯の生え方や歯並びは、お子さまの成長にともなって大きく変化するものです。ハの字の前歯やすきっ歯、受け口などの見た目に不安を感じることがあっても、成長とともに自然と整っていくことがあります。
ただし、指しゃぶりや口呼吸などの悪い習癖、偏った食生活などが歯並びに影響を与えるケースも少なくありません。正しい知識を持ち、気になる症状があれば早めに歯科医師に相談することが大切です。
テラスモール松戸プランス歯科では、お子さまの歯並びや生え変わりのチェックをはじめ、指しゃぶりや口呼吸などの習癖に対するご相談にも対応しています。お子さま一人ひとりの成長に合わせたアドバイスを行い、保護者の方と一緒に健やかな口腔発育をサポートします。
また、お子さまの矯正治療に関する無料相談も実施しています。小児矯正を専門とする歯科医師がお子さま1人ひとりの口腔内の状態を丁寧に診断し、成長段階やお悩みに応じた適切な治療プランをご提案します。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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